2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯科治療介入が及ぼす口腔内QOLに関する国際比較調査-患者の評価による治療成績の検討-
Project/Area Number |
14406027
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
濱田 泰三 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50034244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中居 伸行 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90284215)
村田 比呂司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (40229993)
貞森 紳丞 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40187167)
河村 誠 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (10136096)
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Keywords | 義歯洗浄剤 / 義歯安定材 / 補綴介入 / インドネシア |
Research Abstract |
本研究は補綴治療の典型的な欠損状態を持つ者および典型的な補綴物を有する者に注目し、それらの口腔内QOLが異文化間でどう異なるのかを明らかにする点にある。まず第一段階として歯科医師および、歯科大学学生が補綴歯科介入にどのような考えおよび知識をもっているかを検討した。具体的には、<日本>-<インドネシア>における義歯安定材および義歯洗浄剤についての知識あるいは臨床における使用状況について検討した。 軟質裏装材および義歯洗浄剤ともに学生より歯科医師のほうが、またインドネシアより日本の方が知識も正確で豊富であった。同時に患者に対しての義歯洗浄剤を用いた歯科治療の介入に対しても積極的であった。すなわち知識が豊富であれば臨床応用する傾向が高かった。しかしながら義歯安定材の使用に関しては学生よりは歯科医師がインドネシアより日本のほうがその使用に際しては慎重であることがうかがわれた。このことは、患者の要求度、満足度以前の問題として、もし歯科医師側に十分な知識がなければいまだにpatient orientedな治療ではなく歯科医師側の知識、理解力に患者の治療内容がゆだねられるdoctor orientedな治療がなされる可能性が高いということが示唆された。今後は更なるテーマの拡大が必要と思われる。また本研究から得られるであろう結果は、今後、さまざまな補綴治療の局面で参考にする海外の知見、提案、主張、エビデンスに対して、口腔内QOLに関しての妥当な補正要因を明らかにし、より精度の高いエビデンスを患者に提供できることが期待される。
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