国際歯科保健としての歯科受診困難地域での進行う蝕治療体系の構築

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14406028
• Research Institution: Niigata University
• Principal Investigator: 星野 悦郎 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90124619)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 八木 稔 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50157963) ; 子田 晃一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90018755)
• Keywords: う蝕予防プログラム / う蝕治療プログラム / 農村歯科医療 / 国際歯科保健 / フッ素洗口 / LSTR-歯内療法 / 国際研究者交流 / 多国籍

Research Abstract

アジアの農村など歯科受診が容易でない地域では、う蝕や進行した歯内治療を要する症例が放置され、あるいは治療可能な歯も抜去されている。この様な地域では治療機会の少ない治療期間の短い療法が効果的となる。本研究では、その現状をふまえた適切な歯科治療のために必要な、簡便かつ省時間、短期間での集中的な治療、しかも極めて有効な治療が可能となる歯科ケア・キュアのシステムのための調査研究と、その方法の確立、実施を目的としている。
この目的のために、今年度は、下記の成果を得た。
1.昨年度策定したモデル地区での評価進行う蝕罹患頻度と治療必要度の2年目調査と治療効果の1年目の評価
フィリピン(Cavite地区の今年度対象103名)、および、バングラデシュ(主にFaridpur地区の今年度対象439名)の学童の第1大臼歯の保護を目的に、フッ素洗口による予防と、う蝕、感染根管治療のためのLSTR療法を応用したケア・キュアのプログラムを実施した。ケアプログラムとしてのフッ素洗口は、Cavite地区では対象学年級で今年度評価時点の3ヶ月前から現地の研究者の協力を得て実施された。Faridpur地区では実施体制の再構築を行った。キュアプログラムでは、Cavite地区では1年後として特に問題はなかったが、Faridpur地区では、1年目の評価の際にグラスアイオノマー密封群に脱落が見られ、現地では電気の安定供給に問題があったが、今年度は、LSTR療法+レジンインレーを中心として行った。
2.歯科ケア・キュアプログラムのために学術の教授と技術移転
タイ(チェンマイ周辺、ハジャイ周辺)での現地研究協力者へのLSTR療法の教授・研修を現地で行った。タイ(コンケーン周辺その他)、オランダ、中国、インドネシア(ジャカルタおよびジョグヤカルタ)マレーシアでの活動を研究協力者と検討した。また、ARTとの関連を検討した。

Research Products

• [Publications] Takushige, T.: "Endodontic treatment of primary teeth using a combination of antibacterial drugs"International Endodontic journal. 37(2). 132-138 (2004)
• [Publications] 星野悦郎: "歯髄、残すか取るか"日本歯科評論. 64(3). 49-53 (2004)