2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代哲学および現代人間科学に対するハイデガー哲学の意義の解明
Project/Area Number |
14510003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門脇 俊介 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90177486)
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Keywords | 存在論 / プラグマティズム / 技術 / 道徳上の運 / 理由の空間 |
Research Abstract |
本研究に関わる作業として本年度は、2003年に"Ontology, Pragmatism, Technology"の題目で発表された、『存在と時間』期のハイデガーのプラグマティズムと後期ハイデガーの技術論との対応関係についての研究を土台として、さらにそれを発展させる研究を行った。すなわち、現代の存在論を隠れた仕方で支配している技術、テクノロジーの体制をどのように表現し理論化するのかという点に関して、チャールズ・テイラーのarticulationの概念を用いてハイデガーの技術論を再評価し、ハバーマスの「生活世界の技術化」の概念と対照することによって、ハイデガーの技術論が、現代世界において引き起こされる諸問題に対してどのような洞察を示しているかを明らかにした。研究のこの部分は、The Vancouver Workshop2004:Technology, Culture, and Cognition(Simon Frezer University)にて口頭発表され、2003年の発表と併せて、『思想』(近刊)に、「存在論・プラグマティズム・テクノロジー」とし公刊される予定。 本年度は、ハイデガー哲学を直接扱ったものではないが、ハイデガーの社会哲学への含意を明らかにする課題の部分として、社会における人間的自由を脅かす偶然の意義を論ずる二つの論考を発表している。『岩波 応用倫理学講義 7問い』所載の「こわれものとしての道徳----道徳上の運について」と、ハバーマスの自由論に直接応答する形で口頭発表された「自由と「理由の空間」」(第20回京都賞記念ワークショップ思想・芸術部門)である。
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Research Products
(2 results)