2002 Fiscal Year Annual Research Report
1830年代から70年代フランスにおける哲学の国家管理とドイツ哲学の受容
Project/Area Number |
14510007
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
伊東 道生 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50232476)
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Keywords | 哲学史 / 制度化 / 折衷主義 / 教育の自由 / バカロレア / 言葉と物の秩序 |
Research Abstract |
平成14年度は、フランスの哲学史と教育制度史との関係を検討するための資料調査が主となった。その内容は、(1)バカロレアにおける哲学史受容の変遷ならびに教則本の変遷、(2)体制側に反発するかたちで起こった、世紀半ばの「教育の自由」を巡る闘争における宗教界の立場、そして宗教側から行われたラテン語による「哲学史」記述の教則本。 七月王政、とりわけV.クーザンによる様々なかたちでの哲学の制度化は、さまざまな要因、つまりバカロレア制度や公教育をめぐる論争、教員養成、教育法といった教育体制、さらにアカデミーとの位置付け、宗教界との抗争といった社会的背景と絡んでいる。またこうした大学や哲学の制度化のために、ドイツ哲学がイデオロギーとして受容された。資料の解読はまだ端緒であるが、このような知の制度化を跡付けるための、思想史に関する資料収集の一応の成果は得られた。 (3)さらに新たに得られた資料(設備備品申請の「フランス革命と第一帝政」)によって19世紀の歴史家、政治家からみた革命と帝政を通しての教育政策や歴史観、哲学史観の資料調査の準備が整えられた。 さらにM.フーコーにならって、このように多様なジャンルの資料から「ものの秩序」を読み取る作業は、知の制度化と並んで、制度の一つ、「都市の秩序」-パリは19世紀の都市の制度化である-を読み取る<方法論>としてもいかされ、応用編として十九世紀と現代を交錯する都市論へもつながった。
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Research Products
(1 results)