2003 Fiscal Year Annual Research Report
近現代における文楽の演奏・演出様式に関する比較分析研究
Project/Area Number |
14510062
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
垣内 幸夫 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50117420)
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Keywords | 文楽系 / 彦六系 / 寺子屋 / 尼ケ崎 / 豊澤団平 / 豊澤広助 / 稽古 / 演出 |
Research Abstract |
(1)平成15年度は『絵本太功記〜尼ケ崎の段』を中心に、基礎資料を収集して分析を行った。収集した資料の内訳は「朱入り五行本」を含む文献資料と『義太夫選集 豊竹山城少掾』『義太夫選集 竹本越路大夫』等の音源資料、並びに東京文化財研究所蔵「安原コレクション」SPレコードの歴史的音源資料などである。これらの資料を対象として、近代の演奏・演出様式の変遷について分析した。 (2)義太夫節の伝承者である文楽三味線の人間国宝・七世鶴澤寛治師による「尼ケ崎の段」の演奏(弾き語り)と芸談をビデオに録画した。さらに文二世豊竹呂勢大夫師には、生い立ちから現在に至るまでの義太夫節との関わり、文楽の修業、各師匠の稽古並びに「尼ケ崎の段」の語り方に関する実演入りの芸談をDATに録音した。 (3)文楽研究家の高木浩志氏からは、近代における「文楽の芸の変化」についてのお話を伺った。また、昨年度対談した後藤静夫氏には引き続き、企画・制作に関わる者から見た文楽の舞台の質的変化に関してご教示頂き、平成14年度にテープ起こしをした「古典」と「新作」について詳しく検討した。 (4)義太夫節アクセントの研究者・坂本清恵氏には、「尼が崎の段」の語りの音声分析を依頼して、近現代における義太夫節の語りの変化について共同研究を進めている。なお、研究成果の一部については拙稿「義太夫節の声」(教育芸術社)及び「文楽を聴く 義太夫節の音楽的特徴を考える(1)〜(4)」(日本芸術文化振興会)等で公表した。
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Research Products
(2 results)