2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510094
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
石口 彰 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (10184508)
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Keywords | 形成判断 / 特徴抽出 / ポップアップ / ダイナミックス / 視覚探索 |
Research Abstract |
「量的形勢判断」過程の基本特性を解明するため、以下の実験的研究を行った。 (1)静的(static)特性の解明 ポップアップ現象と「量的比率判断」との関連性を検討し、(2)のダイナミック特性の検討のための基本的データを得た。 [方法] 1属性2値(例色:赤vs緑)から2属性2値(例色:赤vs緑、線方位:垂直線vs斜線の組み合わせ)、多属性2値に至るまで、視覚的探索においてポップアップする(あるいは、しない)特徴の属性値を組み合わせて、恒常法により主観的等比率点(主観的に同数と判断される物理的な比率)を測定し、かつ、反応時間による分析を行った。 この研究では、基本的に、次の条件を比較した。 ・ともにポップアップする属性値の組み合わせ ・一方がポップアップし、他方はポップアップしない属性値の組み合わせ(ポップアップ非対称性) ・ともにポップアップしない属性値の組み合わせ [結果] ポップアップ対称刺激対では、量的形成判断に偏りはみられないが、非対称刺激対では、ポップアップする属性刺激の個数は過大評価されることがわかった。 (2)動的(dynamic)特性の解明 本研究の主たる目的である、「量的形勢判断」過程のダイナミック特性の検討に着手した。具体的には、時間とともに属性値が変動しつつ、かつ属性値間の比率が変化する(すなわち、一方の属性値を有する成員が次第に優勢となる)状況で、その比率の変化を検出する能力を検討した。 [方法] 刺激の、各成員の属性値(例 垂直線vs斜線)は確率的に変動し、かつ、一方の属性値(例 垂直線)を持つ成員が次第に増加する。この状況で、変形上下法により、主観的等比率点を測定し、(1)の静的特性の実験で得られた主観的等比率点と比較した。 さらに、(1)の静的特性の実験で得られた主観的等比率点と出発点とし、どの時点で、どの属性値が優勢になるか、主観的分岐点を測定した。 現在、これらのデータを分析中であり、今後、これらのデータを基に、特徴抽出過程と「量的形勢判断」過程とに、時間的な変動因を加えた、初期モデルを構築する。
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