2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510115
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
靭負 正雄 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (20113491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 清子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (10073090)
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Keywords | 関係記憶・学習 / 両価手がかり弁別課題 / transverse patterning problem / 嗅周皮質 / ニホンザル / 少数刺激セット条件 / 再認記憶 / 遅延見本合わせ課題 |
Research Abstract |
本研究は、嗅周皮質が、少数刺激セット条件の再認記憶や両価手がかり弁別課題であるtransverse patterning problemのような同一刺激が試行よって意味が変わるとか対呈示される刺激によって意味が変わるいわゆる関係記憶・学習に関与するかどうかを検討することを目的とする。本年度は嗅周皮質を摘除し、少数刺激セットの遅延見本合わせ課題を終了したサルと同様の行動課題を訓練されてきた非摘除統制ザル計6頭を用いて、2セットの刺激群からなるtransverse patterning problemを与えた。刺激A、B、Cと刺激D、E、Fの2セットの物体、景色などの写真刺激を用い、第1段階ではA(+) vs B(-)とD(+) vs E(-)の2つの弁別学習を1日48試行中24試行づつランダムに与えた。学習基準は、各弁別課題について12試行中11正反応以上をとることとした。第1段階の学習が完成すると、次にB(+) vs C(-)とE(+) vs F(-)を前の2つの弁別課題に加え4つの課題として1日48試行中12試行づつランダムな順序で与えた。それが完成すると、第3段階として、C(+) vs A(-)とF(+) vs D(-)の課題を加えた6弁別課題を同様の方法で与えた。この段階では各弁別課題は1日に6試行づつランダムな順序で与えられた。各段階で、12試行を1ブロックとしてその中で各弁別課題が同数試行ランダムになるように考慮した。本課題は、第3段階で、同じ刺激が対となる相手刺激によって意味が異なり、第2段階までと同じ方略では課題を解決できない。第3段階では、それまでの学習を見直し、新たに対の相手との関係で意味を学習する必要がある(関係連合)。結果的に、嗅周皮質摘除ザルは第1、第2段階の学習成績は統制群と異ならなかったが、第3段階の学習で統制群より多くの試行数を要し、障害を示した。
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Research Products
(4 results)