2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510115
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
靭負 正雄 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (20113491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 康隆 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40100135)
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Keywords | 嗅周皮質 / ニホンザル / 同時複式視覚弁別学習 / Transverse Patterning Problem / 要素連合 / 遅延見本合わせ課題 / 少数刺激セット条件 / 多数刺激セット条件 |
Research Abstract |
1、目的・方法:本年度は、前年度生涯の結果を得た、関係学習課題として位置づけられているTransverse Patterning Problem課題のコントロールとしての意味を持つ同時複式視覚弁別学習の獲得に及ぼす嗅周皮質の摘除の効果を検討した。同時複式視覚弁別学習は、異なる写真(物体、風景など)を6cmx6cmの矩形カードにはりつけた12枚の刺激を用意し、二者択一弁別のために、それらをあらかじめ6対のペアー(A+,B-;C+,D-;E+,F-;G+,H-;I+,J-;K+,L-)とした。Transverse Patterning Problem課題の手続きと同様に3つのphaseに分け、phase1では最初の2対の弁別学習を訓練した。学習完成後、phase2では、それに加えて他の2対の弁別学習を混ぜて与え、4対の学習訓練をした。最後(phase3)に、残りの2対を加え、計6対の学習訓練を行なった。Transverse Patterning Problem課題との違いは、報酬刺激が最終的に対の相手によって変化せず、各対における個々の刺激の意義は固定的である点である。従って、同時複式視覚弁別学習で障害が見られなければ、先のTransverse Patterning Problem課題のphase3で見られた障害は、刺激の意義が対となる相手によって変化するという側面と関係した障害であると指摘することができる。被験体として、前年度Transverse Patterning Problem課題で障害を示した嗅周皮質摘除サル3頭と健常サル2頭(他の1頭の健常サルは死亡)を用いた。他に、別の研究で用いられた健常サル3頭のTransverse Patterning Problem課題の成績を統制群に加えた。 2、結果:両群共に容易に学習基準に達した。マン・ホイットニーのU検定で分析したところ、Phase 1と2では有意差は見られなかったが、Phase3で有意差が認められた(Mann-Whitney U test, trials : U=0, p=0.02)。しかし、その障害は極めて軽かった。
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Research Products
(7 results)