2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510140
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
豊田 弘司 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (90217571)
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Keywords | 自己修正精緻化 / 自己生成精緻化 / 実験者呈示精緻化 / 適合性 / 不適合性 |
Research Abstract |
本年度は、記銘語に対して修正を求める枠組み文を、従来の奇異イメージが喚起される奇異文から、そのようなイメージが喚起されない普通の不適合文に変更し、3つの実験を行った。実験1では、枠組み文をすべて上述した不適合文にして検討した。枠組み文中の語を適切な語に修正する条件(自己修正精緻化;生成修正)、枠組みの文中の空欄に適切な語を記入する条件(自己生成精緻化;生成)及び記銘語の枠組み文への適合性を評定される条件(実験者呈示精緻化;呈示)が設けられたが。偶発自由再生率では生成修正=生成>呈示の関係が見いだされた。実験2では、不適合文と適合文を混在させて、被験者に枠組み文の不適合性を処理させる状況を設定した。その結果、生成修正>生成>生成という関係が見いだされた。この結果は、自己修正精緻化効果において、記銘語と枠組み文の不適合性を処理する過程が重要であることを示唆したものである。また、実験3では、生成修正条件に割り当てる記銘語数を増加させて、生成修正条件における不適合文と適合文の比較を行った。その結果、不適合文を修正させるよりも記銘語の再生率の高いことが明らかになった。この結果は、記銘語が枠組み文と適合しない場合に適合するように修正することが記銘語を認知構造へ統合させるために効果的に機能することを示唆するものであった。これら3つの実験から、従来は自己修正精緻化効果は、奇異性効果と適合性効果の加算的効果であるという議論がなされてきたが、状況によっては修正情報を生成するだけで効果が新たに示されたのである。
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Research Products
(2 results)