2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510140
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
豊田 弘司 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (90217571)
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Keywords | 修正活動 / 自己修正精緻化 / 奇異イメージ / 分散呈示 / 集中呈示 |
Research Abstract |
平成14〜16年度までの3年間の実験において,被験者自身が修正情報を生成する条件(生成修正)と不適切文脈が呈示されるのみの条件(呈示),及びはじめから適切文脈になる情報を生成する条件(生成)の間に違いのあること(自己修正精緻化効果)が示されてきた。そして、この修正活動の効果は,様々な要因によって規定されることも明らかにされてきた。 本年度は,本研究の最終年度にあたるので,これまで行ってきた実験を総括することと研究成果の公表が中心であった。まず,昨年度行った実験において奇異イメージの有無及び呈示形式(集中,分散呈示)によって修正活動の効果が規定されるという結果を得た。具体的には,分散呈示に比べて、集中呈示は記銘情報の再生率が劣るという従来の研究結果に対して奇異イメージが喚起される状況において修正活動が集中呈示の不利を解消するという結果であった。さらに,この現象は、奇異イメージの有無を被験者間要因とした場合には消滅するという結果も得た。これらの結果は,興味深いものであり、国際学会における発表の意義があると考え,ヨーロッパ心理学会(9th European Congress of Psychology)において発表した。また,国内学会(日本教育心理学会第47回総会)においても,昨年行った実験(奇異イメージが喚起されない枠組み文を用いた場合であっても,自己修正精緻化効果が得られること)を発表した。 報告書においては,1)これまでの精緻化研究と自己修正活動(自己修正精緻化)の位置づけ,2)修正活動(自己修正精緻化)の効果を規定する要因、及び3)今後の課題という観点から報告書を作成した。2)については,21個の実験を掲載し,それぞれについて詳細な考察を行った。また,3)については,これまでの精緻化研究がまだ検討していない情動,時間及び対人的情報に関する精緻化が今後検討される可能性のあることを指摘した。
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Research Products
(1 results)