2002 Fiscal Year Annual Research Report
少子化社会における学校での新課題「異校種間交流」の教育効果を探る
Project/Area Number |
14510144
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
神山 貴弥 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (00263658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 敏昭 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10110834)
石井 眞治 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60112158)
高橋 超 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80033554)
井上 弥 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10201336)
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Keywords | 異校種交流 / 異年齢交流 / 小・中・高校生 / 対人態度 / 社会的スキル / 規範意識 / 達成動機 / 共感性 |
Research Abstract |
本研究では、小学生・中学生・高校生を対象に、日常の異年齢の子どもとの交流や学校主体で進められる異校種間での子ども同士の交流が、子どもの対人態度、達成動機、規範意識、社会的スキル等にどのような効果をもたらすのか検討を行った。【方法】調査対象者 小学5,6年生555名(小学生データの一部、中学生および高校生データについては、現在コーディング中であるために、今回の報告書ではその分析結果がまとめられていない) 調査内容 1)日常的な異年齢交流の実態(放課後・休日における遊び相手) 2)学校における異校種交流の実態(内容・相手・回数等) 3)年下・年上・同学年の相手に対する行動(頻度)および態度(評価・感情・意欲) 4)中学生および高校生に対する対人印象 5)思いやり(情緒的共感性) 6)自己充足的達成動機 7)自尊感情 8)規範意識 9)年下・年上・同学年の相手に対する社会的スキル、等 調査時期 2003年2月および3月 調査方法 学級単位での集団調査法(一部、質問紙を持ち帰っての留置法)【結果及び考察】異校種交流を行っている子どもの方が、年下に対する態度(評価・感情・意欲)および年上に対する態度(感情)が肯定的であること、および自身の自己充足的達成動機および抑制的規範意識が高いことが示された。また、日常的に異年齢の子どもと交流がある子どもの方が、年下に対する態度(意欲)が肯定的で、中学生に対する印象のうちの活動性に対する評価が高いこと、そして、年下および年上に対する社会的スキルも高いことが示された。日常的な遊びを通しての異年齢他者とのかかわりと、学校での異校種交流による異年齢他者とのかかわりでは、子どもたちにもたらされる影響が異なることが示されたことは、非常に興味深い結果である。現在、異校種交流の効果については、どのような相手とのどのような交流がこうした指標に影響を及ぼすのかさらに分析を進めているところである。
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