2003 Fiscal Year Annual Research Report
少子化社会における学校での新課題「異校種間交流」の教育効果を探る
Project/Area Number |
14510144
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
神山 貴弥 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (00263658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 敏昭 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10110834)
石井 眞治 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60112158)
高橋 超 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80033554)
井上 弥 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10201336)
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Keywords | 異校種交流 / 異年齢交流 / 幼稚園児・小学生 / 縦断的研究 / 対人態度 / 環境移行 / 適応 / 社会的スキル |
Research Abstract |
本年度は、対象校を絞り、小学生と幼稚園児の年間を通じての交流活動を継時的に追跡し、昨年度と同様に異校種交流活動が子どもの対人態度、環境移行、達成動機、規範意識、社会的スキル等に及ぼす効果について検討を行った。【方法】 調査対象者 H大学附属の小学校4年生76名・担任教員2名、同附属の幼稚園児63名・その保護者63名・担任教員2名 調査内容と調査方法 年間を通じて4回の交流活動が実施されたが、小学生に対しては(1)4回の交流活動前後での上記指標等の変化、(2)各回の活動後の振り返り(自由記述)と交流に対する態度(感情面・意欲面)を測定した。また、幼稚園児については保護者を通じて、(1)4回の交流前後での小学生に対する印象の変化、(2)各回の活動後の交流に対する態度(感情面・意欲面)を測定した。また、幼稚園の保護者からは、(1)すべての交流後に交流が環境移行に及ぼす影響、(2)各回終了後の子どもに対する気づきや感想(自由記述)を測定した。さらに、各担任教員からは交流活動のねらい、成果、課題等をインタビューした。 調査時期 2003年5月から2004年3月 【結果】 調査日程上、小学生の(1)データなど分析できていないが、主な結果は以下のとおりである。小学生・園児ともに毎回、校種を越えた交流に非常に肯定的態度をもつことが明らかになった(肯定的回答の割合90%弱〜95%前後)。また毎回活動後の園児保護者の気づき・感想からも、園児が小学生との交流を毎回楽しみにし、普段以上に園での様子を話すことが示された。こうした交流に対する肯定的な評価は園児の小学生に対するイメージにも反映されて、活動後は活動前より肯定的イメージが各指標とも10ポイント程度上昇し90ポイント強となった。小学校入学という環境移行に際しても、今回の交流活動が役立つとする園児保護者の意見が多かった。異校種交流活動では、子どもたちが他者を意識し行動するために、様々な効果を生む契機となることが教員インタビューからも示された。
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