2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510145
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
深田 博己 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10112161)
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Keywords | 説得 / 脅威アピール / 集合的対処 / 集合的防護動機モデル / 環境問題 / 環境配慮的行動意図 |
Research Abstract |
脅威に対する個人の単独的対処が不可能で、多数の人々との同時並行的な集合的対処のみが可能な環境問題に焦点を絞り、環境配慮的行動意図の規定因を探った。日本人大学生と中国人大学生を対象に実施した調査データの再分析から、環境配慮的行動意図に対する集合的防護動機モデルの仮定する8つの認知要因の全体的影響は、環境問題への関心によって大きく異ならないものの、各認知要因の影響は環境問題の種類や対処行動の種類によって微妙に異なることが判明した(中国四国心理学会60回大会発表、日本社会心理学会第45回大会発表)。環境配慮的行動意図を予測する理論・モデルとしては、深田・戸塚(2001)の集合的防護動機モデル、広瀬(1994)の環境配慮的行動と規定因との要因連関モデル(以下、要因連関モデルと略記)、小池ら(2003)の行動に至る心理プロセスのモデル(以下、心理プロセスモデルと略記)の3つがある。目本人大学生を対象に調査を実施して、これら3つのモデルの説明力を比較検討した。その結果、環境配慮的行動意図に対する説明力は、集合的防護動機モデルが49〜64%、要因連関モデルが50〜59%であったのに対し、心理プロセスモデルが8〜22%にすぎなかった。また、中国人高校生、大学生、成人女性を対象に、3つのモデルの説明力を比較検討するための調査を実施した。その結果、中国人の環境配慮的行動意図に対する説明力は、高校生、大学生、成人女性の順に、集合的防護動機モデルが27〜37%、17〜29%、33〜52%、要因連関モデルが22〜36%、20〜25%、14〜53%、心理プロセスモデルが2〜10%、1〜4%、2〜14%であった。3つのモデルの説明力は、中国よりも日本においてより高いことが示された。また、集合的防護動機モデルと要因連関モデルの方が心理プロセスモデルよりも説明力が優れていることが実証された。
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Research Products
(1 results)