2003 Fiscal Year Annual Research Report
中年期におけるサリドマイド胎芽病者の臨床心理学的研究
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14510160
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
齋藤 高雅 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (90082065)
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Keywords | サリドマイド胎芽病者 / 中年期 / 追跡研究 / 心理検査 / 精神保健 |
Research Abstract |
1)財団法人いしずえ(サリドマイド福祉センター)の協力を得て、昨年度、死亡6名(男5名,女1名;交通事故3名、病死1名、自殺2名)を除くサリドマイド胎芽病者303名に対して精神健康面での適応状態についての質問票による調査を実施した。調査は、郵送法により(財)いしずえから対象者に、基本的属性、現在状況(就労状況)、ADL、精神健康調査票GHQ-28(General Health Questionnaire)、および困難、相談事項の自由記載などを含む調査票を送付、回収した。そのデータのうち、GHQ-28を中心に経時的に解析した。四肢障害群では、30歳代から40歳代への推移をみると、「身体的症状」の訴えの低下がみられ、全般的には心理的安定が推察された。(口頭発表1,2) 2)帝京大学病院において実施していたサリドマイド胎芽病者の精密検診は、現在までに総検診者数183名(複数回検診者を除く)である。ロールシャッハ・テストについてはこれまで片口法で実施していたが、国際的には現在、包括システム(エクスナー)法が一般的となってきている。そのため、他研究者の協力を仰ぎ、資料の再コード化を行い、データベースを作成したところである。 3)(財)いしずえ事務局員、および元事務局員とサリドマイド胎芽病者の事例検討会を定期的に実施した。問題点を整理し、データベースの作成を行い、聴力障害群のデータベースは完成した。さらに四肢障害群のデータベースを作成中である。聴力障害群の一部の者に面接を実施した。聴力障害群には顔面神経麻痺を伴う者があり、表情が乏しいため、聴力障害のハンディに加えて、他者とのコミュニケーション障害に悩む者があることが明らかになった。また、本年度も(財)いしずえ主催の親睦会の機会を捉え、希望者に対して面接調査を実施した。 口頭発表 1.齋藤高雅、関根剛:中年期におけるサリドマイド胎芽病者のGeneral Health Questionnaireによる追跡調査、日本公衆衛生雑誌、50(10),p764,2003(第62回日本公衆衛生学会総会抄録集、京都,平成15年10月. 2.齋藤高雅、関根剛:サリドマイド胎芽病者の精神保健追跡調査-General Health Questionnaire(GHQ-28)による検討、第19回日本精神衛生学会抄録集(東京),P-11,2003.11.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 齋藤 高雅, 関根剛: "サリドマイド胎芽病者の心理テスト(その3-ロールシャッハ・テストとHTPテストとの関連について-)"こころの健康. 18(1). 88-88 (2003)
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[Publications] 齋藤 高雅, 関根剛: "中年期におけるサリドマイド胎芽病者のGeneral Health Questionnaireによる追跡調査"日本公衆衛生雑誌. 40(10). 764-764 (2003)