2003 Fiscal Year Annual Research Report
育児力の低下を防ぐ子育て教育・共感教育プログラム「共感の根」の導入と効果の研究
Project/Area Number |
14510169
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
武田 信子 武蔵大学, 人文学部, 助教授 (00247123)
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Keywords | 共感 / 教育 / 子育て / 教育プログラム |
Research Abstract |
カナダの子育て教育・共感教育プログラム「共感の根」のパイロット授業を、東京都内の3小学校4学級、小学校6年生約100名に対して、総合学習の時間を活用して4月から12月まで9ヶ月に渡って実施し、1月から3月にかけて、その効果を測定分析した。 1.前年度の本研究で研修を受けたインストラクターが、前年度翻訳した教材を元に授業を週1回のペースで実施した。カナダと日本の文化差を考慮しながら、インストラクター合同会議において丁寧な検討を行い、教材をその都度、作成、改変していった。その間、教材の翻訳も並行して行った。実施に当たっては、担任や学校長、参加親子など関係者との連携も重要であり、頻繁に連絡・調整を行った。 2.プロジェクトの前後に、統制群と実施群の小学生各100名に、質問紙を実施し、共感性や向社会的行動、学級風土等の変化を調べた。また、担任に質問紙をし実施、参加家族には聞き取り調査を行った。分析結果の報告は、成果報告書に記載される予定である。 3.この間、カナダとの連絡を電子メールやファックス、電話カンファレンスなどによって密に取り、課題を検討しあった。10月末から11月にかけて、カナダから海外研究協力者でもあるプログラムの創始者を迎えて、デモンストレーション授業を関係者に公開した。各区の教育委員会、厚生労働省関係者、カナダ大使館等からの見学者、保護者等を迎えた。また、文部科学省への研究状況報告も行った。 4.今後、分析結果をさらに細かく深く検討し、このプログラムの導入について、対象、時期、プログラムやカリキュラムの内容、導入体制の整備など、日本での実施可能性を考察し、日本全体に広がる社会的な育児力低下の予防にこのプログラムがどう働きかけることが出来るか、研究を進めていく。
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