2002 Fiscal Year Annual Research Report
過疎地域における在宅老人福祉サービスのモデル化に関する研究
Project/Area Number |
14510198
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 秀一 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (80315556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 幸雄 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (20171267)
山下 弘二 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (70315555)
佐藤 秀紀 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (60265105)
松川 敏道 札幌学院大学, 人文学部, 助教授 (40305925)
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Keywords | 過疎地域 / 在宅老人福祉 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究は、ホームヘルプ・デイサービス・ショートステイの供給量である年間利用実人数の3指標を用いて、全国の市町村における老人保健福祉サービスの実績についての総合的な評価方法を検討し、あわせてサービス事業実績と全国3255市町村(政令指定都市:12,市:659,町:1994,村:567,東京23区)における自治体格差の社会経済的な成因との関連性、過疎地域特性との関連性について検討することを目的とした。 老人保健福祉サービスにおける各施策内容の実績は、長寿社会開発センターによる「保健福祉マップ数値表」から、(1)65歳以上人口100人当たりホームヘルプ年間利用日数、(2)同デイサービス年間利用日数、(3)同ショートステイ年間利用日数の3項目を抜粋した。最新の市町村別数値が入手可能な指標として、人口統計においては、自治省行政局振興課による(1)年齢別人口構成比、(2)住民基本台帳人口伸び率(1998年/1997年)、(3)人口密度の3指標を、厚生省大臣官房統計情報部による(4)合計特殊出生率を人口動態保健所・市区町村別統計から、また、総務庁統計局統計調査部国勢統計課による(5)昼夜間人口比を「1999民力」から抜粋した。経済状況は、総務庁統計局統計調査部国勢統計課による(1)産業3部門別就業人口比(第1次産業、第2次産業、第3次産業)、通商産業省大臣官房調査統計部商工統計課による(2)小売り商店年間販売額伸び率(1997年/1994年)、自治省税務局市町村税課による(3)所得格差、自治省財政局指導課による(4)地方税収入伸び率(1998年/1997年)を「1999民力」から、自治省財政局による(5)財政力指数を「地域介護力」から抜粋した。医療供給実態として、厚生省保険局による(1)老人保健医療給付対象者1人当たり医療諸費費用を「地域介護力」から抜粋した。 統計解析に当たり、まず、前記3項目の老人保健福祉サービスにおける変数相互間の相関行列を求め、この相関行列に主成分分析を適用することによって総合的な老人保健福祉サービスに関する実績因子の抽出を試みた。次いで主成分分析から得られた第1主成分を抽出し、このときの主成分スコアを平均が50、標準偏差を10とするZ-得点に変換し、これをもって各市町村における老人保健福祉サービスの総合的な実績とした。 その結果、「在宅サービス総合指標」における市町村格差は、「財政力指数」「年齢別人口構成比(65歳以上)」「年齢別人口構成比(15〜29歳)」「産業3部門別就業人口比(第2次産業)」が関連していることが認められた。また、65歳以上人口100人当たりホームヘルプ年間利用日数、同デイサービス年間利用日数、同ショートステイ年間利用日数及び「在宅サービス総合指標」は過疎地域分類群によって有意な違いが認められた。老人保健福祉サービスの市町村間格差は、過疎化の進行状況のみならず、高齢化、財政事情、産業構造などの相違によって生じていることが示唆された。このことは、地域によって問題の現れ方が全く異なり、必要な対策も異なることを意味しているものと思われる。
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Research Products
(1 results)