2004 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者の自律性支援をめぐる倫理的諸問題-居宅介護と施設介護の比較研究
Project/Area Number |
14510203
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
田川 佳代子 (沖田 佳代子) 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (10269095)
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Keywords | 高齢者介護 / 施設介護 / 倫理 / ケア / 介護職員 / ソーシャルワーク / 自律性 |
Research Abstract |
本研究は、施設にいる要介護高齢者の自律性支援について調べることを目的としている。研究方法は質問紙調査と個別面接調査を用い、高齢者の自律性に対する施設の介護職員の意見や態度を調べた。質問紙調査は、名古屋市内の一特別養護老人ホームの介護職員に対し自記式の留置調査を実施した。2005年1月17日から24日の期間に、介護職員82名に調査票を配布、その内31名(37.8%)から有効回答を得た。一月後、回答者の中から同意を得た9名に対し個別面接調査(他記式)を実施した。 施設高齢者の自律性に対する介護職員の意見や態度について五件法で尋ねる質問項目の、回答者毎の総得点は、最高得点100点から、最低得点58点までの範囲におよぶ。平均は83.45、中央値は84.00、標準偏差は9.862。正規分布するようコード化した「自律性支援得点」と、「介護福祉士および社会福祉士の資格保持者」とは、Pearsonの相関係数=0.380、5%水準で有意(片側)であった。「自律性支援得点」と「大卒」とは、Pearsonの相関係数=-0.428、5%水準で有意(片側)。「自律性支援得点」と「福祉教育」とは、Peasonの相関係数=-0.362、5%水準(片側)であった。 さらに、先の質問項目の回答データについて因子分析を行った結果、介護職員の態度や意見を左右する施設高齢者の自律性支援の活動領域の類型が潜在する可能性が示された。例えば、「職員間ですでに検討され合意のある自律性支援の活動領域」、「高齢者の自律性に対立する職員の干渉主義的な活動領域」、「施設という場のために高齢者の自律性が規制される活動領域」、「高齢者の福祉のためという行為が、高齢者の自由に反する内容を孕む活動領域」、「生命に危険をもたらす高齢者の自由に対し職員が積極的に介入する活動領域」等、(省略)。個別面接調査では、これらを支持あるいは補完する内容結果が示された。
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Research Products
(1 results)