2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14510215
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤田 弘夫 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60156875)
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Keywords | 公共性 / パブリック / 公 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は2003年5月12日には、松山大学で開催された地域社会学会大会において「自治体の公共観」を発表した。そこでは、自治体が設置した各種の看板を分析することで、自治体の民衆観の一端を報告した。さらに、日本社会学史学会大会が、2003年6月28日に東北公益大学で開催され、そこで自由報告として「CivicsからUrban SociologyをへてUrban Studiesへ」を発表した。都市社会学(Civics)は「公共性」の問題と深くかかわりながら、イギリスのエディンバラで誕生した。しかし、その後のシカゴ学派の都市社会学(Urban Sociology)において、公共性への問いかけは科学的研究への強い志向性のなかで忘れ去られてしまった。ところが、最近の都市社会学(Urban Studies)研究では、「公共性」の問題が再び脚光を浴びるようになっている、というのが報告の趣旨である。日本都市学会は2003年に、創立50周年を迎えた。記念大会は大阪市の主催で「都市の活性化とNPO-新しい主体の登場による公共性の転換-」を掲げて開催された。報告者はパネルディスカッションにおいて「都市学の新世紀」と題する基調報告を行った。夏期にはイギリスにおいて、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学、ダーラム大学を訪ね研究者と「公共性」の概念をめぐって議論した。過去2年間の成果は『都市と文明の比較社会学-環境・リスク・公共性-』(東京大学出版会 2003年11月 全312頁)にほぼ集約されています。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 藤田 弘夫: "都市とユートピア"人間と社会の探求. 55. 5-26 (2003)
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[Publications] 藤田 弘夫: "二つの権力概念による都市分析"環. 17(未定). (2004)
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[Publications] 藤田 弘夫: "都市と文明の比較社会学-環境・リスク・公共性-"東京大学出版会. 312 (2003)