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2002 Fiscal Year Annual Research Report

現代日本における階層的不平等構造の変動

Research Project

Project/Area Number 14510216
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

鹿又 伸夫  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30204598)

Keywords階層 / 世代間移動 / 移動機会 / 機会不平等 / 世代内移動 / 時代効果 / コーホート効果 / 年令効果
Research Abstract

階層移動の分野では、世代間移動における機会不平等が変化せず、階層が世代間で再生産されているとする恒常性仮説が、1980年代以降に支持されてきた。しかし、既存研究は、父親の階層から子の現職までの世代間移動表について、調査時点間比較を主に行ってきたため、時代、コーホート、年齢の各効果を区別していなかった。本研究では、これらの効果による変動を区別する分析を行い、また父親から子世代の初職までの移動の分析も行った。
分析結果は、第1に、父親から現職までの移動は、1955年から1965年にかけて時代効果によって平等化され、1965年以降はコーホート効果によって1950年代出生コーホートまでは緩やかに平等化が進んでいたことを示した。
第2に、父親から初職までの移動機会は、1890年代出生コーホートから1930年代出生コーホートまで緩やかに平等化し、1940年代出生コーホートまで急激に平等化していたが、その後のコーホートには緩やかな不平等化の傾向が見られた。
これらは、恒常性仮説と矛盾するものであった。現職までの移動の変化は、時点効果による変動からコーホート効果による変動へ、と変動の仕方が変わっていた。また、初職までの移動は、1930年代まで、1940年代、そして1950年代以降のそれぞれのコーホートで、変化の進み方が異なっていた。
以上より、世代間移動の概念と研究方法にたいする根本的な再検討が必要である。つまり、世代間移動を父親から現職までの移動と限定する既存研究の概念化じたいは、実態をとらえられない。第1に、現職までと初職までの機会不平等は、それぞれ異なる変化の推移を経てきたからである。第2に、初職から現職までの世代内移動が、現職までの世代間移動に無視し得ない影響を与えているからである。

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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