2002 Fiscal Year Annual Research Report
岡山孤児院大阪分院の日誌を通して見る、事業当事者間のネットワーク構想
Project/Area Number |
14510218
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小野 修三 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (90103902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 達朗 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (70064730)
梅垣 理郎 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (40223599)
米山 光儀 慶應義塾大学, 教職課程センター, 教授 (40167044)
小笠原 慶彰 四天王寺国際仏教大学, 人文社会学部, 助教授 (00204058)
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Keywords | 社会事業 / 社会行政 / 石井十次 / 小河滋次郎 / 大原孫三郎 / 岡山孤児院 / 愛染橋保育所 / 石井記念愛染園 |
Research Abstract |
3年計画の初年度に当たる本年度は、当初の計画通り、石井記念愛染園(大阪市浪速区)が保管する岡山孤児院大阪分院関係書類のうち、次の12点の写真撮影を実施し、その撮影フィルムから普通紙への引き伸ばし、さらにその製本化、そしてその一部の翻刻作業までを終えた。その12点とは以下の通りである。すなわち、1 明治四十二年六月起 日誌 愛染橋保育所 2 明治四拾五年度 日誌 愛染橋保育所/夜学校 3 日誌 岡山孤児院大阪分院 自明治40年1月14日至明治41年3月15日 4 石井記念愛染園 日誌 大正5年-13年 5 日誌 愛染園 自大正13年1月至大正15年3月 6 明治四十三年七月 保育児原簿 愛染橋保育所 7 補習科卒業学籍簿 永久保存 8 永久保存 卒業児童学籍簿 9 明治四十四年一月 慈善函物品 ライオン仁丹慈券 寄附簿 岡山孤児院大阪事務所 10自大正四年八月至大正六年十二月 日誌 岡山孤児院大阪分院 石井記念愛染園 11 明治四拾貮年五月 日誌 岡山孤児院大阪事務所 12 重要書類 岡山孤児院大阪事務所 この12点は分量としては保管書類のほぼ半分であり、残りの半分については次年度同様の作業を行なうこととした。なお本年度は上記3の「日誌 岡山孤児院大阪分院」について翻刻作業を行ない、その成果を発表誌の都合で(上)(下)に二分割し、研究代表者と研究分担者の所属する各大学の紀要にそれぞれ発表した。この翻刻作業のための研究会は慶応義塾大学(日吉)において2回開催した。 この翻刻した岡山孤児院大阪分院関係資料を中心とした、明治40年代から大正初年度時期における大阪市の社会福祉事業当事者間のネットワークの本格的分析は、次年度の作業となるが、本年度の研究会での日誌に関する分析から判明した点の一つは、事業の創始者(岡山在住)とその実務担当者(大阪在住)との間の、運営方針をめぐる不一致であった。いわば内政と外交の両面の関係が問われる必要があることが予想された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小野修三, 小笠原慶彰, 松田隆行: "岡山孤児院大阪事務所の開設(下)"慶應義塾大学日吉紀要社会科学. 第13号. 1-31 (2003)
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[Publications] 小笠原慶彰, 小野修三, 松田隆行: "岡山孤児院大阪事務所の開設(上)"四天王寺国際仏教大学紀要 人文社会学部. 第35号. 27-47 (2003)