2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510220
|
Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
南 保輔 成城大学, 文芸学部, 助教授 (10266207)
|
Keywords | 海外帰国子女 / 通文化的人間形成 / 教育・職業経歴 / 勤労倫理 / 社会的アイデンティティ / 調査倫理 / ライフヒストリー / 人生の転機 |
Research Abstract |
平成14年度から引き続き、海外帰国子女の家族に追跡インタビューを実施した。首都圏在住者を中心に、関西へ1回、名古屋圏と関西に1回国内調査旅行に出かけて、合計16回の聞き取りを実施した。17人にインタビューをして、24人の帰国子女のその後についての情報を収集した。 前年度インタビュー分を含めて、インタビュー記録の文字化作業を進めた。帰国子女やその家族が海外経験や英語運用能力をどのように生かしているかについては、個人差が大きいという結論に達しつつある。大学進学においては、ほぼ全員が英語力を生かしていたが、その後の人生において、英語力を積極的に活用した生き方を選ぶかどうかについては個人差が見られるようだ。 どの大学でなにを専攻したか、どんな仕事をしているかといった、「客観的な」結果からさらに踏み込んで、帰国子女たちが海外経験をどのようなものと見ているのか、とりわけ、人生における「転機」のようなものとして見ているのかといった観点からの分析を試みた。「わたしは変わった」という発言が、ある帰国子女に見られたが、そのような発言をした帰国子女は、これまで詳細に文字化資料を分析した協力者のあいだでは多くなかった。この点について、英語論文の発表準備を進めている。そのデータを平成16年2月の研究会で報告しコメントを受けた。同月末から来日されたダグラス・メイナード博士からも、研究についての助言を受けることができた。 帰国子女にたいするインタビューのほかに、価値意識についての質問紙調査を実施した。比較のために「一般」サンプル対象の調査をウェブのホームページを利用して行った。どちらも目標数を回収するのに苦労した。
|