2002 Fiscal Year Annual Research Report
ウガンダ・アルバート湖岸の漁村における人と湖の関係―多民族混住地域の生活知の構成―
Project/Area Number |
14510252
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Research Institution | Shitennoji University Junior College |
Principal Investigator |
田原 範子 四天王寺国際仏教大学短期大学部, 保健科, 助教授 (70310711)
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Keywords | ウガンダ / フィールド調査 / 漁村社会 / 漁撈活動 / アルバート湖 / 移民 / 西ナイル地域 / ホイマ県 |
Research Abstract |
本年度の調査は、多民族が共生している漁村において、どのような生活知が生成し、実践されているかを人々の日常生活の揚で検証するために、ウガンダ国における資料収集およびフィールド調査(平成14年7月30日〜8月26日)を行った。具体的には、漁撈活動を中心に、本地域における漁業対象魚の名前、漁家カレンダー、漁法、漁獲の分配方法、魚の加工方法、この漁村社会と他地域とのつながりを生み出す経済活動などについて、漁撈組織のメンバーや村の地域行政スタッフと共にフィールド調査を行った。 また、本地域の特徴は、昨今の夥しい数の移民流入であるが、そうした移民の出身地である西ナイル地域を当地出身者とともに訪問し、生活状況の調査を行った。当地への移民は親戚を仲介として行われていると推測されるが、西ナイル地域からホイマ地域への人々の移動状況については、今後の課題として詳細に調査する予定である。 さらに、ウガンダ国における漁撈活動の社会的経済的背景を明らかにするために、マケレレ大学社会学部、水産学科、自然環境学科、国連食料農業機関FAOにおいて文献を収集するとともに、現地での野外調査の結果について議論を行った。漁業省の職員からは、漁村の人々の生活状況が政府の方針と矛盾する事例があることを指摘された。上記の成果については本学紀要に報告した。 こうした成果をふまえ、現代社会における漁撈活動の状況は、社会的文化的背景だけでなく、自然環境の側面や国の政治経済状況からも捉える必要が痛感された。したがって来年度は、ウガンダ国における資料収集やフィールド調査に加えて、国内における漁村社会での調査を遂行する予定である。漁村社会が置かれている状況は、国の違いをこえて共通する点も多く、日本の漁村社会を知ることからウガンダの漁村社会への知見を深めることができると考えるからである。
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Research Products
(1 results)