2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウガンダ・アルバート湖岸における人と湖の関係-多民族混住地域の生活知の構成-
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14510252
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Research Institution | International Buddhist University Junior College |
Principal Investigator |
田原 範子 四天王寺国際仏教大学短期大学部, 保健科, 助教授 (70310711)
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Keywords | ウガンダ / ホイマ県 / 西ナイル地域 / 漁労活動 / 漁村コミュニティ / 出稼ぎ労働 / アルル民族 / 生活実践 |
Research Abstract |
人びとの日常活動を視覚化するために、フィールド調査による映像資料をビデオカメラによる処理を試みるとともに、昨年および一昨年に収集した以下の資料のACSESSやEXCELを用いてデータベース化をはかり、データ解析およびデータの視覚化を行った。 (1)西ナイル地域から移民してきたアルル人たちの生活史調査 (2)漁獲量、労働時間、漁獲分配などの漁業の実態にかかわる個別調査 (3)漁獲された魚の加工・流通にかかわる人たちの個別調査 (1)にかんしては、移民となった原因、動機、そしてその方法について記述した。全体的に1998年以降、コンゴの政情不安による避難者が多く、移動の手段としてはカヌーかボート、親戚のつてによってこの地域にたどり着いた人が多いことがわかる。(2)にかんしては、季節による魚種の変動はあるものの、ナイルパーチやナマズの漁獲は年間を通してかなり安定していることがわかった。また、平均出漁時間は16時間余りで、出漁時間と漁獲量に相関関係は見られない。(3)にかんしては、漁獲された魚の加工は、塩を使った天日干しが多く、ホイマ県のみならず、西ナイル地域やコンゴ共和国に流通していることがわかった。データの全容とその分析結果については、研究報告書で詳述する。 文献調査によって、漁労活動における問題や地域住民と国の政策の齟齬は、この地域特有のことではなく、サハラ以南のアフリカにおける漁業全般と共通する問題であることが明らかになった。
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