2003 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカの大学経営におけるマーケティングに関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
14510259
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐野 享子 筑波大学, 教育学系, 助教授 (10334020)
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Keywords | フィリップ・コトラー / 消費者誘導 / スタッフ組織・ライン組織 / ソーシャル・マーケティング |
Research Abstract |
今年度は昨年度に引き続き、教育機関をはじめとする非営利組織におけるマーケティングの適用を提唱したフィリップ・コトラーによる教育機関のマーケティング理論に焦点を当てた検討を行った。具体的には以下の3つの研究課題に取り組んだ。 1)昨年度に引き続き、教育機関におけるマーケティング概念とコトラーの理論の問題点を探るため、今年度はコトラーが展開した教育機関におけるマーケティングの理論におけるマーケティング管理の職務とその組織構造について明らかにした。2)昨年度に考究の対象としたコトラーの「消費者誘導(market-driving)」の論理をいかに教育機関に適用してマーケティングを行うかについて、彼の理論の前提となる消費者行動の論理を手がかりとして考察した。3)コトラーのマーケティング理論が80年代から90年代にかけていかなる進展を遂げてきたかを明らかにし、今後の理論の方向性を探った。 得られた主な成果は下記のとおりである。1)コトラーの理論においてはマーケティング担当者の職務がスタッフ職としての位置づけに留まっていることから、この職務をいかにして責任と権限を持つライン組織に位置付けるかについて検討した。2)学習者の根源的ニーズへの働きかけによりプログラムの採用行動へ学習者を誘導していくなど、ソーシャル・マーケティングの理論を手がかりとした消費者誘導論理適用の方途を検討した。3)80年代から90年代にかけてのコトラーの理論は、顧客がサービスを評価するメカニズムに着目し、顧客の主観的な側面への働きかけを重視した手法を重視する傾向にあることを明らかにして、今後の理論の方向性と問題点を示唆した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐野 享子: "コトラーにおける教育機関を対象としたマーケティン理論の進展"アメリカ教育学会紀要. 14. 29-37 (2003)
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[Publications] 佐野 享子: "教育機関におけるマーケティング管理の職務と組織構造-コトラーの理論における問題点の検討-"筑波教育学研究. 2. (2004)
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[Publications] 佐野 享子: "学習者に対する消費者誘導型マーケティングの適用可能性-コトラーのマーケティング理論が前提とする消費者行動の論理を手がかりとして"筑波大学教育学系論集. 28. (2004)