2002 Fiscal Year Annual Research Report
戦後の高等学校職業教育行財政制度の成立に関する実証的研究
Project/Area Number |
14510287
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
佐藤 史人 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (80324375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 民憲 和歌山大学, 教育学部, 教授 (70038321)
長谷川 雅康 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (00253857)
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Keywords | 高校職業教育 / 産業教育振興法 / 産業教育総合計画 / 産業教育審議会 / 教育行財政 / 還元金制度 / 教科書検定制度 |
Research Abstract |
年度計画に基づき、東京都・愛知県・岐阜県・高知県・香川県・高知県・福岡県・長崎県・宮崎県等の都県立図書館・公文書館・教育センター等を訪問し、当該都県の産業教育資料の収集を行った。とりわけ、各都県の地方産業教育審議会の設置経緯及び同審議会の活動の成果(答申・具申)と産業教育総合計画の策定に関する事実経過に関する1次資料の収集ができた。現在、収集した各県のデータを整理し、全国的な比較ができるようデータベース化に取り組んでいる。これまでの調査研究の成果の一部として、『和歌山大学教育学部紀要-教育科学-』に佐藤史人が「地方産業教育計画と産業教育審議会に関する研究」を発表した。 また、東京都・大阪府・大阪市・鳥取県・島根県・高知県等に所在するいくつかの工業・農業高校を訪問し、実習農場・飼育棟や演習林等の施設を見学し、同時に農場還元金制度や実習助手の実態等について聞き取り調査をおこなった。この一部については、日本教育学会第61回大会において佐藤史人が「高校職業学科における実習助手の職務内容に関する研究-工業科・農業科を中心に-」として報告し、職業教育に関する行財政制度と教職員問題の特殊性の一端を明らかにした。 加えて、技術教育研究会及び全国農業教育研究会の全国大会に参加し、職業学科の教育現場の課題や問題点などについて協議した。とくに、総合学科への転換や統廃合など職業高校再編の動きの中で、財政負担の大きい職業学科の抱える問題について、教育条件整備の側面から問題を整理することができた。 産業教育振興の全国的動向についての研究として、日本産業教育学会第43回大会において佐藤史人が「産業教育振興法制定後の高校職業学科の教科書の発行状況に関する研究」として報告し、職業学科教科書の編集発行において独自の問題が存在したことを指摘し、産業教育振興法の果たした役割について検討した。
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Research Products
(2 results)