2002 Fiscal Year Annual Research Report
基幹産業におけるIT・情報化に伴う技術者教育の展開と能力開発に関する実証的研究
Project/Area Number |
14510297
|
Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
永田 萬享 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70155935)
|
Keywords | IT・情報化 / 技術者教育 / OffJT / 能力開発 / 高等職業教育 / ものづくり / 人材育成 / 電機産業 |
Research Abstract |
研究初年度の調査研究は基幹産業のなかでも電機産業を対象とした。調査対象先は松下電器産業(株)及び(株)日立製作所である。いずれも日本を代表する大手電機メーカーであり、従業員構成をみると技術者の比重が高く後者の場合8割も占めている。松下では人材開発カンパニーを、そして日立製作所では本杜並びに技術研修所を設定した。現在取りまとめ中であるが、一部内容を紹介しておく。 松下電器産業では従来社内の一部門として教育機能を担っていた人材開発センターを、02年4月から人材開発カンパニーとして分社独立させることによって更なる経営合理化を行うとともに体質強化をはかっている。人材開発カンパニーでは「ものづくり大学教育体系」と称して松下電器産業の人材育成の再編・強化が行われている。例えば、生産技術、工場技術分野の大卒新入社員に対して「大卒新入社員ものづくり系育成スクール」が7.5ヶ月間にわたって行われる。このように、大卒技術者に対する教育はこれまでもっぱらOJTによって担われていたのであるが、最近OffJTによってシステマチックに取り組まれていることがうかがえる。 一方、(株)日立製作所では創立60周年を記念して技術研修所が設立され、そこでは日進月歩で進歩する技術革新を担う技術者の教育が行われていた。「総合基礎技術研修」「ソフトウエアエンジニアリングプロジェクト研修」「専門技術研修」「基礎工学講座」である。例えば、「基礎工学講座」では若手技術者を対象に1999年から実施されている。1〜2ヶ月にわたる通信教育と中間に1泊2目、最後に2泊3日の計2回のスクーリング,からなる。1科目につき20〜25時間の独学時間が必要とされる。いずれにせよ、電機産業における技術者の教育においてOJTのOffJT化が進行している
|
Research Products
(1 results)