2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本における優生学の障害者教育・福祉への影響とその克服過程に関する研究
Project/Area Number |
14510300
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平田 勝政 長崎大学, 教育学部, 助教授 (10218779)
|
Keywords | 優生学 / 優生運動 / 国民優生法 / 障害者教育 / 障害者福祉 / 民族衛生 / 断種 |
Research Abstract |
平成15年度は、昨年度に引き続き教育・社会事業・心理学・医学の関係各分野の雑誌中の優生学関係資料の調査・収集作業を継続しつつ、主に下記の(1)〜(4)の課題の解明に取り組んだ。 (1)日本民族衛生学会(1930年設立)の戦前における学術大会(計12回開催)において障害者問題に関する優生学的研究と諸議論の具体的な内容と特質の解明 (2)同じく日本民族衛生学会の地方支部(名古屋支部、金沢支部、大阪支部、広島支部、福岡支部、熊本支部等)の優生運動の成立・展開とその地域の教育界・社会事業界や障害者教育・保護関係者への影響の解明 (3)1940年5月制定の国民優生法が1941年7月に施行されるまでの準備過程で地方ブロック別に開催された協議会・講演会(北海道〜九州までの全国12ブロックにて開催)での厚生省官僚(高野六郎他)の説明内容と参加した地方当局者(衛生課長・社会課長等)によるその理解度及びその協議会・講演会に関する地方新聞の報道の特徴の解明 (4)国民優生法の公布・施行が障害者とその各団体に及ぼした影響の解明(特に身体障害者団体の場合) (5)知的障害者の生存・生活・教育への優生学の影響のさらなる解明 上記(1)〜(4)の研究成果は、平成16年度の関係学会で発表予定であり、(5)については中村満紀男編著『優生学と障害者』(明石書店、2004年3月)に発表した。
|
Research Products
(1 results)