2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本における優生学の障害者教育・福祉への影響とその克服過程に関する研究
Project/Area Number |
14510300
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平田 勝政 長崎大学, 教育学部, 助教授 (10218779)
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Keywords | 優生学 / 優生運動 / 民族衛生 / 大日本優生会 / 障害者教育 / 障害者福祉 / 国民優生法 / 断種 |
Research Abstract |
平成16年度は、研究の最終年度として下記の諸課題に取り組んだ。 (1)戦前日本の医学・心理学・教育学・社会事業の4分野における優生学関係資料の収集・整理作業が完了したことをふまえて、4分野における優生学の影響とその特質を比較検討し、さらに優生思想の克服を志向する批判的言説を整理検討する。 (2)日本における優生運動の成立過程を一層解明していくため、日本への優生学の本格的導入者として知られる社会事業学者の海野幸徳の生涯と業績を整理・検討する。 (3)日本優生運動史の解明作業の中でも、今年度は日本民族衛生学会(協会)の地方支部等による地方優生運動の成立・展開が地方の教育界・社会事業界に及ぼした影響について明らかにする。 (1)の研究成果は、日本特殊教育学会第42回大会(於・早稲田大学、9月)にて発表した。 (2)の研究成果は、日本社会福祉学会第52回大会(於・東洋大学、10月)にて発表した。 (3)については、九州の支部(福岡、熊本、大分)と愛知県支部、石川県(金澤)支部の資料の調査・収集作業をおこなった。 (4)その他に、優生学の影響をセガンの教育思想に依拠して乗り越えようとした障害児教育教師の吉田圭に関する研究(清水寛編著『セガン』日本図書センター、所収)が発表された。 上記(1)(2)(3)(4)と過去2年間の研究成果とを合わせて、研究成果報告書にまとめた。
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Research Products
(4 results)