2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510358
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤井 讓治 京都大学, 文学研究科, 教授 (40093306)
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Keywords | 江戸幕府 / 領知判物 / 領地朱印状 / 室町将軍家御判御教書 / 古文書学 / 徳川秀忠 |
Research Abstract |
本研究は、江戸幕府歴代将軍が発給した領知判物および領知朱印状を収集・整理し研究者が共有しうるデータベースを構築することをまず第一の目的とし、その上で、その発給者・受給者・対象地域・領知内容・文書様式等を確定し、発給に至る過程・手続を発給者側と受給者側の両面から明らかにすることを通じて、江戸時代の将軍・大御所権力の歴史的性格・特質を明らかにすることをめざすものである。 領知朱印状収集のために、津軽家文書・大岡家文書・土屋家文書・板倉家文書(国立史料館)、松平家文書・林文書(上田市立博物館)、阿部家文書(学習院大学史料館)、酒井家文書(姫路城郭センター)、酒井家文書(小浜市立図書館)、松平家文書・土井家文書・小笠原家文書(福井県文書館)、井伊家文書(彦根市立博物館)、青山家文書(青山歴史村)、柳沢家文書(柳沢文庫)、青山史家関係文書(尼崎地域史料館)、牧野家文書(蒼柴神社)、戸田家文書(栃木県立文書館)、鳥居家女書(常樂寺)、松平家文書(本光寺)、加越能文庫(金沢市立図書館)等の調査を行い、関係史料を撮影・複写した。収集した領知朱印状は、総数3156点にのぼったが、それらをデータベース化し、報告書『江戸幕府領知判物・領知朱印状の基礎的研究』に「領知朱印状一覧(年代順)」「領知朱印状一覧(家別)」として掲載した。 また、研究としては、「徳川将軍領知朱印状の古文書学的位置」のテーマで、2003年10月の日本古文書学会大会において発表し、『古文書研究』59号に掲載した。この論文では古文書学的観点から徳川将軍領知朱印状と室町幕府御判御教書との関連について分析し、徳川将軍家領知朱印状のもつ独自性を明らかにした。また、徳川2代徳川秀忠の領知朱印状を分析しその特質を論じた論文「秀忠親政期の領知朱印状」を『京都大学文学部研究紀要』43号に発表した。
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Research Products
(3 results)