2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510361
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
姜 克実 岡山大学, 文学部, 助教授 (00234394)
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Keywords | 石橋湛山 / 小日本主義 / 再建構想 / 自由党 |
Research Abstract |
本年度は戦後初期の石橋湛山の思想と活動を中心に研究を進めてきた。作業の準備段階として、まず、戦後初期の石橋湛山の執筆及び関連資料の収集を行い、データベースを構築した。 前記の資料群を材料に、丹念な分析と厳密な考察を行いながら研究を進め、成果として、1.「石橋湛山の小日本主義の再建構想」と、2.「政界への道」という二つの論文を完成した。前者は平成十五年六月号の《岡山大学文学部紀要》に掲載する予定である。 1.の研究論文では、石橋湛山の戦後構想と戦前の「小日本主義」主張との関連性を指摘し、構想の原型は、敗戦前に行った「戦後研究」に既に現れ、その特徴は、資源、領土に頼らず、人間の労働、知恵によって戦後の日本復興をめざすことにある、と指摘した。 2.の研究では、石橋湛山の政界入りの動機や、結局自由党に入党したいきさつを、未加工の原史料で調べ、石橋が当初は、社会党からの立候補をも考えていた事実を発見し、また保守的自由党と一線を画し、進歩的人民戦線の活勒にも深く関わったことも判明した。論文はこれらの新たな事実を通して、石橋の政党政派の利害ではなく、自分の主意・主張を伸張するため、政界入りした動機を指摘している。 なお、14年度では、研究の準備として、「日中米ソ平和同盟」部分に関する資料の収集も行った。
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Research Products
(1 results)