2002 Fiscal Year Annual Research Report
近現代台湾における宗教儀礼・宗教職能者の歴史学的文献学的研究
Project/Area Number |
14510381
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Research Institution | University of Library and Information Science |
Principal Investigator |
松本 浩一 筑波大学, 図書館情報学系, 教授 (00165888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 春二 國學院大學, 文学部, 助教授 (30289714)
丸山 宏 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (00229626)
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Keywords | 道士 / 道教儀礼 |
Research Abstract |
14年度は、年度計画のそれぞれの担当分につき、次のような調査を行った。 松本は、主として基隆市・廣遠壇の紅頭道士の儀礼について調査を進め、同時に台湾北部の道士の儀礼に関する文献を収集した。前者については、台北市松山区の昭明廟で毎日行っている呪術儀礼、特に前世からの因縁や抱いている不満などが原因でたたりを起こし、病気や災害などの原因となっている死者を救済するための超抜などについて、あるいは旧暦の7月基隆の各地の廟で行われる普渡(施餓鬼)について調査を行った。後者については、中央研究院民族学研究所図書館所蔵の文献や、道士の用いるテキストを、コピーするなどして収集した。 丸山は、台湾南部における道士の資格取得の問題、具体的には奏職と受〓の問題について、現在70歳代の道士と50歳から60歳代の道士、および30歳から40歳代の各世代ごとの状況について、台南地区と高雄地区において調査を行い、世代ごとの差異および地域ごとの差異を明らかにするために、資料の収集と聞き取り調査とを進め、大きな成果を収めた。現在では次年度に本格的に行う予定の分析について準備を進めている。 浅野は、台南市において台南市の道教会を訪問し、理事長の陳榮盛氏ほか数名から、台南市における道教の変遷、台南市の道教会の活動状況等について聞き取り調査を行い、安平開台天后宮においては、道教および民間の祠廟祭祀について、また高雄県の永安郷においては、安葬儀礼、功徳儀礼を調査し、道士の現在の職能についての資料を収集するなど、台湾南部の道士の活動状況と、宗教儀礼の現状についての調査を進め資料を収集した。
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[Publications] Matsumoto Koichi: "The Taoist rite of the Celestial Heart"ACTA ASIATICA. no.84. 42-60 (2003)
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[Publications] 丸山宏: "説話と鬼律から見た土地神信仰について"中華世界の歴史的展開(東京:汲古書院). 177-208 (2002)
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[Publications] 丸山宏: "台南道教の奏職文献"東方学の視点(東京:五曜書房. (2003)
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[Publications] 浅野春二: "廟神の信仰と道教儀礼:台湾南部の醺を例として"國學院雑誌. 103-11. (2002)