2003 Fiscal Year Annual Research Report
占領期ドイツにおけるナチス犯罪者の司法処罰に関する研究
Project/Area Number |
14510418
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
清水 正義 白鴎大学, 法学部, 教授 (20216104)
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Keywords | 国際法学 / 戦争責任論 / ニュルンベルク裁判 / 人道に対する罪 / イギリス・アメリカ・ドイツ |
Research Abstract |
本年度はまず、前年(第一年度)イギリス・ロンドンにおいて収集したヴェルサイユ講和条約時のイギリス政府文書を用いて、第一次世界大戦時のドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の訴追問題について研究を進め、本学紀要にその結果を発表した(『白鴎法学』21号)。 第二年度においても資料収集に力を注いだ。まず、第二次世界大戦時のドイツ戦犯処罰政策を確立するにあたりイギリス、アメリカなどの連合諸国がいつ頃から、どのような検討をしていたのかを考察するために必要な資料を収集することに努めた。そのためにアメリカ・ワシントンDCの国立公文書館に赴き、主として陸軍省と国務省の関係資料を調査し、必要書類を複写入手した。また、当時のアメリカ大統領ローズヴェルトの関連資料をニューヨーク州のローズヴェルト記念図書館において発掘調査し、同様に必要書類を複写入手した。これらの資料は、第二次世界大戦初期の段階において英米当局がドイツ戦争犯罪の実相をどの程度把握していたか、また戦争犯罪人をどのように処置しようとしていたかを明らかにするものである。とりわけローズヴェルト記念図書館の資料はこれまで明らかにされる機会の少なかった連合国戦争犯罪委員会のアメリカ代表ハーヴァート・ペルに関する資料を含んでおり、重要な価値を持つものであった。これとは別に、二次文献については、アメリカ政府発行の外交文書集を中心に約30点を購入した。 これらの資料を用いて第二次世界大戦時の連合国戦争犯罪委員会の活動とそれに対するアメリカ政府の方針について前述のペル文書に基づく実証研究を行い、本学紀要に発表した(『白鴎法学』21号、22号)。
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Research Products
(2 results)