2002 Fiscal Year Annual Research Report
中世ロシア社会思想における修道士ヨーシフ・ヴォロツキーの研究と社会の考察
Project/Area Number |
14510424
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Research Institution | Nagoya Meitoku Junior College |
Principal Investigator |
田邉 三千廣 名古屋明徳短期大学, 国際文化科, 助教授 (70259357)
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Keywords | モスクワ大公イヴァン三世 / 順番制 / モノマフの王冠 / 1497年法典 |
Research Abstract |
(1)中世ロシア社会思想に関し、論文『モノマフの王冠』を発表した。 (概要):15世紀末期、モスクワ大公イヴァン三世の宮廷を二分し、後継者争いが発生する。孫のドミトリーを推すグループと次男ヴァシーリーを推すグループの間で起こった。この後継者争いは、単に、イヴァン三世の側近による権力闘争であっただけではない。キエフ時代以来のしきたりであった「順番制」という古い継承法とモスクワ公国が他に先駆けていち早く採り入れた「長子相続制」という新しいシステムの争いでもあったというのが筆者の見解である。しかし、本稿ではこれについて十分検討が尽くされたとはいえない。別稿を用意する必要がある。本稿では、上記の問題との関連で、1492年、孫のドミトリーが、「モノマフの王冠」によって戴冠された儀式を中心に紹介した。 (2)中世ロシア社会思想に関し、モスクワ大公イヴァン三世時代の重要な史料である『1497年法典』についての研究書を紹介した。 IO.Г.Алекcеев,Cyдeбннк Ивана III Традиция иреформа(『ロシア史研究』72号、2003年5月) (概要):アレクセーエフの「イヴァン三世法典」(2001年刊)の紹介。氏は、1479年に施行されたこの法典が、モスクワ大公イヴァンのロシア統一国家形成の完成を示すものであると論じている。 (3)他に、ロシア中世史関係の用語集(未完)、320語を作成。
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Research Products
(1 results)