2004 Fiscal Year Annual Research Report
中世ロシア社会思想における修道士ヨーシフ・ヴォロツキーの研究と社会の考察
Project/Area Number |
14510424
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
田邉 三千廣 星城大学, リハビリテーション学部, 助教授 (70259357)
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Keywords | イヴァン三世 / パトリケーエフ家 / リャポロフスキー公 |
Research Abstract |
15世紀末期のモスクワ公国の社会を考察するに当たり、昨年度に続きモスクワ大公イヴァン三世時代の宮廷で発生した後継者争いを検討し、論文にまとめた。(「パトリケーエフ父子とリャポロフスキー公の失脚について」星城大学『人文研究論叢』第1号、2005年3月)ここでは、大公イヴァン三世の中央集権化政策に賛成する貴族と反対する貴族の対立と考える研究者の見解、また、その見解に反対し、失脚の原因を外交問題、特に、リトアニア公国との戦争に求める研究者の見解等を紹介し、そこに若干の私見を加えた。また、この稿では、当時ロシア教会を悩ませていた異端運動との関係を考慮し、異端運動撲滅に奔走していた修道院長ヨーシフ・ヴォロツキーを取り巻く人間関係に注目し、宮廷内の混乱とのかかわりを検討した。 さらに、今年度は、15世紀末期のロシア社会を考察する上で重要と,思われるロシアのシベリア進出の問題の検討を始めた。実際のシベリア進出は、孫のイヴァン四世・雷帝時代に本格化するが、その下地はイヴァン三世時代に形成されていたと考えたからであった。論文:「ロシアのシベリア進出と都市建設」(中京大学社会科学研究所刊『東シベリアの歴史と文化』2005年3月)。
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Research Products
(2 results)