2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510428
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
下條 信行 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20091233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 克巳 大分県立歴史博物館, 主幹研究員
柳沢 一男 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (50239802)
村上 恭通 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (40239504)
三吉 秀充 愛媛大学, 法文学部, 助手 (50284386)
橋本 達也 鹿児島大学, 総合研究博物館, 助教授 (20274269)
|
Keywords | 西南四国 / 九州 / 交流 / 弥生・古墳時代 / 弥生土器・土師器 / 須恵器 / 石器 / 金属器(青銅器・鉄器) |
Research Abstract |
弥生・古墳時代における西南四国と九州の交流については本年度は主要には土器において次のような成果を得た。 1,西南四国と東・南部九州の弥生期以降の交流の顕現化は宮崎県新富町住居址出土の西南四国型甕によって弥生時代中期後半にあることが明らかになった。それは同時に瀬戸内系の凹線文壺・高坏の宮崎・鹿児島への広域分布と軌を一にするが、同上遺跡では両者が供伴出土していることからして、西南四国型土器の介在をもつて凹線文系土器の伝播が可能となったと考えることができるようになった。一方、松山市文京遺跡に日向地方特有の「f」字口縁甕が出土することからして、西南四国型土器を介しての双方向的交流の可能性が検討できるようになった。 2,古墳初期の甕に西南四国地方と大分南部から宮崎にかけての地方には共通した特徴を看取することができる。この期、西日本の大方の地域では関西発の布留式甕か在地的なタタキ調整の長胴甕が流布するが通常であるが、これらの地域ではそれらを主要な甕とし受容しないというネガティブな共通性がある。そして、部分的には独特の形態をもつ甕で繋がる可能性も検討できるようになった。 3,銅矛の伝播ルートの講査を行ったところ、大分南部から豊後水道を渡って愛媛南部から高知へのいわゆる西南四国ルートが存在することが明らかになった。そして、九州・愛媛南予と高知とでは出土立地を異にする文化の変容性が指摘できるようになった。 4,このほか地もと研究者の援助も得て、両者を繋ぐ石器、鉄器、土器、須恵器、その他の基礎資料を収集した。
|