2005 Fiscal Year Annual Research Report
戦国期、織豊期、江戸前・中期における瓦生産の地域別比較研究
Project/Area Number |
14510441
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Research Institute for Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
山崎 信二 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥・藤原宮跡発掘調査部, 史料調査室長 (10090375)
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Keywords | 朝鮮系瓦 / 日本式近世瓦 / 四天王寺住人瓦大工 / 播州英賀住人瓦大工 / コビキAとB / 大坂産軒瓦 / 江戸産軒瓦 / 軒機瓦 |
Research Abstract |
1.鹿児島の瓦編年をおこない,近世III-2期(1600〜1615)の瓦として宇都窯・苗代川窯の朝鮮系式の瓦と花十字文軒丸瓦があり,近世V期(1657〜1682)に堂平窯産の陶器瓦があり,近世VI期(1682〜1724)に鹿児島城の牡丹文軒丸瓦と唐草文軒平瓦,近世VII期(1765〜1800)のものとして鹿児島城の軒機瓦があること,即ち朝鮮系瓦から日本式瓦への変遷を明らかにした。 2、熊本の瓦編年をおこない,近世II期(1582〜1591)の瓦として宇土城・麦島城の瓦,近世III期(1592〜1615)の瓦として佐敷城・平山瓦窯・熊本城・鷹ノ原城の瓦があり,近世IV期(1615〜1657)の瓦として人吉城の瓦,近世V期(1657〜1682)の瓦として江戸産の人吉城出土の瓦であることを明らかにした。 3.長崎の瓦編年をおこない,近世III-1期(1592〜1600)、III-2期,IV期,V期,VI期(1682〜1724)までの瓦の変遷を明らかにした。 4.名護屋城と近世唐津の瓦について分析をおこない,天守台の瓦は「四天王寺系」に近い瓦工人が名護屋城周辺の窯で瓦を焼成し,また名島城・中津城・熊本城・宇土城との同笵瓦から,瓦を伴う建物解体による移築は北部九州から中部九州のみに限定されていたとの考察を加えた。 5、静岡県下の近世瓦を検討し,東海の瓦は家康が支配した天正18年以前の段階での瓦が存在しないという加藤埋文氏の説に批判を加え、浜松城・横須賀城では天正18年を遡る姫路系瓦が存在することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)