2002 Fiscal Year Annual Research Report
『雅俗幼学新書』のデータベース化及び唐話辞書・対訳辞書等との比較研究
Project/Area Number |
14510452
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
坂詰 力治 東洋大学, 文学部, 教授 (50058103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 一 東洋大学, 文学部, 助手 (90318303)
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Keywords | 雅俗幼学新書 / 唐話辞書 / 対訳辞書 / 和英語林集成 / 雑字類編 / 森楓齋(源愿) / 節用集 / 岡島冠山『唐話纂要』 |
Research Abstract |
本年度は、計画書のとおり、京都大学附属図書館、立命館大学図書館、さらに国立国会図書館所蔵の『雅俗幼学新書』の諸版について実見し、確認した。各所蔵先の状況により、マイクロフィルム化や印刷を行った。 諸版については、「安政年間」のものと、「明治九年」の後印本の二種が存在していることが知られている。それらに加え、京都大学附属図書館と立命館大学図書館のものは、刊記の書林の所在の一部が「江戸」ではなくて「東京」とある。そして、「明治九年」本に見られる「明治九年四月廿六日版權免許」がない。おそらく、「東京」と改称してから、明治九年の間に刊行されたものではないかと思われる。また、「覆彫」の可能性もあり、検討したい。加えて、複数の異同箇所も散見し、多数の諸版を調査した上で結論付けていきたい。 上記の諸版の結論を得る前ではあるが、国立国会図書館所蔵の「安政年間」本を暫定的な底本とし、入力作業を開始している。現在、具体的な入力方法を模索している段階であるが、そのデータベース化には市販ソフトを用いていくことを前提に進めている。入力内容は漢字表記とそのカタカナ表記、また補足などすべてとし、検索の便宜を図るつもりである。しかし、多数の外字が存在し、それらをどのレベルまで表していくのかは、検索の問題と相反する面があり、随時直面する状況を解決しながら進めている。そのために、本年度は一割程度の入力にとどまっている。今後、入力作業が進捗することで、各部の収録語数や、部門間の収録語の傾向が判明し、全体の性格・特徴が明らかになると考えられる。 次年度に向けて、最終的な基準を設け、それに従いデータベース化を進めていく予定である。第一巻と第二巻で、計241丁からなる大冊であるために、入力には複数年を費やすと思われる。入力作業を次年度の中心的な内容とするつもりである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 坂詰 力治: "抄物に見える「サテ」(不可)について-「カナ(叶・適)ハヌ」との比較を通して-"近代語研究(近代語学会武蔵野書院). 11集. 2-17 (2002)
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[Publications] 坂詰 力治: "漢語の品詞としての広がりについて"東洋(東洋大学). 39巻8号. 4-7 (2002)
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[Publications] 木村 一: "『和英語林集成』「英和の部」(1版)の見出し語一斑-「英華字典」に収録されていないもの-+"文学論藻(東洋大学). 77号. 1-15 (2003)