2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510460
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 孝庸 新潟大学, 人文学部, 教授 (90143742)
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Keywords | 平曲 / 平家琵琶 / 語り(口頭演誦) / 平家物語 / 譜本 / 平家正節 / 當道要集 / 當道拾要録 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1 『平家正節』の翻刻作業の継続。…本年度は、『平家物語』卷第六分の全13句(「新院崩御」から「横田河原合戦」)および卷第七分のうちの3句(「北国下向」「竹生島詣」「燧合戦」)の計16句の翻刻を行った。 2 甲南女子大学蔵『平家物語』の翻刻作業の継続。…本年度は、卷第四「源氏揃」から「山門牒状」までの5章段を終了。 3 アメリカ合衆国Yale大学所蔵の當道資料の調査。…文部科学省在外研究によるものだが、本研究に関わるものである。『當道要集』『當道拾要録』『四宮殿伝記』などの閲覧調査を行った。近く、内容の紹介を行う予定である。 4 平曲譜本二点の入手。 (1)『平曲中音集』は『平家正節』のうちの主要な<中音>部分を抜き書きしたもの。 (2)外題不明だが、「灌頂之卷五句」を一句一冊仕立てにしてあるもの。ただし、惜しいことには「女院御出家」「小原御幸」「六道」「御往生」の四句があって、「小原入御」が欠けている。この譜本は谷浦勾當関係の伝受のものらしく、譜記がやや特異、『平家正節』とは異なるものであるようで、現在検討中。いずれ紹介を行いたい。 5 『平家吟譜』の完本の発見。…国文学研究資料館の活動の一として、松尾葦江氏の行ったチームの補助作業を行う中で、富山県黒部市の宮崎文庫記念館蔵『平家物語』全十二巻12冊が、長く所在不明とされていた『吟譜』の全譜であることを、私が認めたものである。ただし、資料館撮影の紙焼写真が一巻分の取り忘れがあるらしく、継続作業が必要であるが、2月に資料館で口頭による報告を行った。これも、文章化の予定である。 6 盲人と長編物語との関係を、越後瞽女の口頭演誦の方法という観点から考えたものを、著書にした。
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Research Products
(1 results)