2002 Fiscal Year Annual Research Report
仏教修法と文学的表現に関する文献学的考察-夢記・伝承・文学の発生
Project/Area Number |
14510462
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木 浩 大阪大学, 文学研究科, 助教授 (60193075)
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Keywords | 密教 / 明恵 / 夢記 / 和歌陀羅尼 / 勧修寺流藤原氏 / 国際報勢交換 |
Research Abstract |
1、文献調査及び若手研究者との研究交流。随心院の聖教調査をはじめとして、密教を中心とした仏教文献の調査、および写真撮影(アナログ・デジタル)等を行い、日本文学に深く関わる文献の調査・分析を行った。またその調査に関連して、大学院生を中心に研究会を組織し、情報交換、及び院生他の論文成果へとつなげている。 2、明恵『夢記』のこと。本研究の前提となる成果報告書『<心>と<外部>-表現・伝承・信仰と明恵『夢記』-』(2002年3月刊行)の再読、再検討を行い、今後の方針(『夢記』の問題解明のためには、明恵の密教修法と和歌との関連の分析も重要であることなど)を固める。同成果報告書は広く認知され、いくつかの図書館や研究機関からもとめられ、送付して、研究交流を行った.。 3、国際的研究交流の実現。本科研の中心的課題の一つに、和歌陀羅尼という密教・神道・文学ほかに広く関わる重要な中世的概念があるが、その分析を聖教調査を通じて深め、その成果の一端を「『沙石集』と和歌陀羅尼説について」と題して、国際シンポジウム「ワークショップ-神道研究における新視点」(ドナルドキーン日本文化センター、中世日本文化研究所、国際神道学会共催、2002年10月、アメリカ・ニューヨーク・コロンビア大学)で発表し、2日にわたるシンポジウムにもすべて参加した。 4、新たな研究方針の展開。平安後期から発展する勧修寺流藤原氏は、京都の勧修寺西堂での八講という法会を軸に、その一門の信仰・政治・財産等の結束を図り、その八講長者が一門の統括的長者となるが、その一族が深く文学や記録などに関わる、という本科研のテーマに関わる重要なケーススタディの一つであるが、その勧修寺流藤原氏をめぐって考察を進め、その一端を日本文学・日本史他が参加するインターディシプリナリな研究会(平安京文化研究会、2002年12月)で発表し、さらにその一部を公刊した(2003年3月刊行予定)。
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Research Products
(2 results)