武家文化圏で製作された古往来についての研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14510478
• Research Institution: Shimane Prefectual Shimane Women's College
• Principal Investigator: 三保 サト子 島根県立島根女子短期大学, 文学科, 教授 (60108256)
• Keywords: 古往来 / 武家文化 / 成立文化圏 / 往来物 / 異制庭訓往来 / 雑筆往来 / 新札往来 / 教育史

Research Abstract

「武家文化圏で製作された古往来」として、本年度手がけた作品は、次の8点である。
1、『異制庭訓往来』2、『庭訓往来』3、『雑筆往来(雑筆抄)』4、『新札往来』5、『消息往来』6、『鎌倉往来』7、『賢才往来』8、『会席往来』
計画の段階では、1と『新撰遊覚往来』との話題別本文比較を重点的に行う予定であったが、話題を共有する作品を、一通り広い範囲で比較しておく作業を先行させた。このため、本年度の中心作業は、作品ごとに話題・内容を整理・分類すること、分類した話題別に一覧表を作成し、作品間の相互関連を見ること、話題別本文比較のために、原文の打ち込み作業をすることに費やした。打ち込みは、3・4・5・6・7が終了している。
伝本収集を平行して行っているが、整理には至らない。
課題としていた『異制庭訓往来』と『新撰遊覚往来』との話題別本文比較については、一通りの作業を終えている。しかし、両作品それぞれに異本があるので厳密な比較は複雑を極める。ここに、他の作品の影響関係を重ねてみようとしているので、いまだ全体像を示すことができない。異同が明らかになってきている話題については、次年度に公刊を予定している。
武家文化圏の把握については、地方に目を向ける必要があり、対象の絞り方に苦慮している。