2003 Fiscal Year Annual Research Report
大名屋敷におけるサロン文化の研究-『弘前藩庁日記』を中心に-
Project/Area Number |
14510480
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
武井 協三 国文学研究資料館, 研究情報部, 教授 (60105567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 公子 近畿大学, 文芸学部, 助教授 (50183091)
渡辺 憲司 立教大学, 文学部, 教授 (00123761)
阪口 弘之 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (70047299)
山下 則子 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (40311162)
青木 直己 株式会社虎屋, 虎屋文庫, 課長 (40175732)
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Keywords | 座敷芝居 / サロン文化 / 『弘前藩庁日記』 / 大名屋敷 / 歌舞伎 / 人形浄瑠璃 / 山鹿素行 / 渋川春海 |
Research Abstract |
諸藩の江戸屋敷には一年に数回芸人たちが招かれ、邸内の座敷で歌舞伎・人形浄瑠璃が上演されていた。弘前市立図書館所蔵の『弘前藩庁日記』には、この藩邸内での芸能上演の記録が掲載されている。弘前藩邸では山鹿素行、渋川春海など、当時の著名な文化人たちが集って観劇を行い、一つの文化サロンが形成されていた。当該研究は、この弘前藩文化サロンを中心として、大名屋敷におけるサロン文化を研究するものである。 当該年度は、大名家文書の原本調査と2回の共同研究会の開催が、主要な研究実績であった。 調査した大名家文書は『済美禄』(広島市立中央図書館所蔵)、『三壷聞書』(金沢市立図書館所蔵)などであり、関連資料の調査を大阪府立中之島図書館、新潟県佐渡畑野町鳥越文庫、南山大学日本文化学科研究室などで実施した。 共同研究会は以下の2回で、研究発表をもとに活発な討議が行われた。 (1)12月8日,「津経家上屋敷における芸能上演と津軽家の人々・客の関係(その一)」 ゲスト・スヒーカー 加賀佳子 於国文学研究資料館 (2)2月25日「津軽家上屋敷における芸能上演と津軽家の人々・客の関係(その二)」 ゲスト・スピーカー 加賀佳子 於国文学研究資料館 大名家文化サロンにおける歌舞伎・人形浄瑠璃の上演には、邸内に本格的な舞台をしつらえ、500名を超す観客を迎えての大規模なものがあったことが判明した。これが本研究当該年度の最も大きな成果である。 また研究代表者の武井協三は、角川選書の一冊として『江戸歌舞伎と女たち』を著した。この本の185頁から201頁までは、当該研究の成果であり、そのことは巻末に明記されている。
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Research Products
(1 results)