2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510490
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鹿島 英一 九州大学, 留学生センター, 教授 (20253700)
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Keywords | 擬似漢字 / 旧壮文字 / 漢字の文字集合 |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて南方型の擬似漢字であるベトナムの字喃や、中国広西自治区の壮字、布依字、〓字の古文字の文献資料の収集に努めた。また、今年度は新たに白文字、水文字など雲南省、貴州省に分布する擬似漢字についても収集を開始した。 ただ、これらの文字が嘗て分布し、今も資料の入手が期待される地域は、昨年3月に発生して猛威を奮ったSARSの中心地である広東省とそれに連なる諸地方であるため、今年度は全く現地での資料収集活動ができなかった。もっとも、今現在は主たる原因は鳥インフルエンザの方に移ってはいるが、現地調査しにくいことには何ら変わりがない状況である。 従って、資料の入手は国内が主となったが、現地での調査を代替する結果を得たとは言い難いのが現実である。 整理作業は、ベトナムの字喃についても、旧壮字についても進んでいるし、比較対照の作業も進めているが、上記の事情が幾分絡んで、初めに想定した状況より遅れ気味である。 西夏文字など北方系の文字に対する作業も昨年度に引き続いて行っているが、書体の問題に関してコンピュータを利用した処理に幾つか問題点が見つかり、現在再度処理方法を洗い直している。もっとも、それは漢字の各集合(日本、中国、韓国)の常用字集合で得た成果を利用するという基本方法に及ぶようなものではない。
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