2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510499
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
丁 鋒 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20320418)
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Keywords | 対音研究 / 音韻 / 日漢対音 / 琉漢対音 / 呉方言 / 官話 / 対音字 |
Research Abstract |
平成14年度、日本学術振興会の科学研究費補助金を頂いたお陰で、4年間継続の研究課題の一年目の研究任務を予想どおり成果を得ることが出来て大変有り難く嬉しく思います。 この一年間の実績、先ず言えるのは研究を深めて纏めた論文『「遊歴日本図経」漢字対音所見呉川京三個語音層次』(『「遊歴日本図経」の日漢対音字から見える中国浙江・四川・北京三地の発音』)を中国河北省石家庄市の石家庄師範専科学校で行った中国音韻学研究会第十二届学術討論会及漢語音韻学第七届国際学術研討会(2002 8 25-8 28)の会場で発表したことでした。浙江生まれ・四川育ち・北京仕事・外国周遊という複雑な生涯を終えた清末の洋務派傅雲竜が日本で編纂した「遊歴日本図経」の日本寄語の発音特徴を初めて解明したことで呉方言に係わる日中対音資料の音韻研究が大きな一歩を前進したことに位置付けられます。この論文は中国の音韻・方言の論文集に収められ平成15年度内に正式に出版する予定です。 もう一方の実績は研究資料の整理・パソコン入力と著書の着手です。科学研究費補助金の一部を必要な図書の購入に使用させて頂き、研究作業の効率と利便性が上がり、助かりました。以上の作業は大学院生の教育の一環としながらご協力も得て大きな進展がありました。膨大な資料を処理しないと著書は進みませんから、毎日頑張っています。 14年度夏季、論文発表に合わせ、北京で北京大学図書館と中国国家図書館に訪れ研究課題に関する資料を幾つ入手することが出来ました。ついでに北京師範大学の中国語学権威王寧教授に拝見し、研究課題に関する研究方法と理論問題の指導と助言を頂き、これから進めていく研究に大いに活用出来ると確信しています。
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