2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14510515
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長畑 明利 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 助教授 (90208041)
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Keywords | ハート・クレイン / ジョゼフ・ステラ / 抽象 |
Research Abstract |
平成15年度には、「抽象」の観点に基づくクレイン作品の分析作業を継続した。具体的には、クレインの詩作品(『橋』をのぞく)の日本語への翻訳作業、およびThomas E..Yingling, Hart Crane and the Homosexual Text、Paul Mariani、The Broken Tower、Clive Fisher Hart Crane : A Life等の研究の批判的読解を通じて、クレインの詩作品に見出される言語の抽象性と、同性愛、飲酒、宗教その他のテーマとの関連性を明らかにする作業を行った。また11月に開催された日本エズラ・パウンド協会大会に出席し、これらの作業の結果についてモダニズム文学研究者と意見交換をした。 分析の結果、クレインの詩作における抽象の性格について、次のことが明らかになった。(1)パウンド型の「構成主義」的抽象に加え、「再現性消失」の意味での抽象化が戦略的に試みられていること。(2)その抽象化は超越性獲得のための手段、あるいは、超越性希求の試みの結果であると考えられること。(3)作品中に描かれる同性愛およびそれに伴う身体的苦痛は超越性獲得のための儀式であり、言語における抽象化の試みはその儀式と連動していること。 以上の研究結果をもとに、研究成果報告書を作成した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 長畑 明利: "エリオット的モダニズムと黒人詩人-Melvin B.TolsonのT.S.Eliot受容"英語青年. 149・3. 150-153 (2003)
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[Publications] 長畑 明利: "The composition of the 20th-century Salt commissioner"Annales du Monde Anglophone. 16. 63-73 (2003)
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[Publications] 長畑 明利(翻訳): "「一千年の平和の国」他"るしおる. 50. 52-61 (2003)
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[Publications] 長畑 明利(翻訳): "「詩篇」第98篇"Ezura Pound Review. 4・5合併. 68-81 (2003)
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[Publications] 長畑 明利: "隠蔽と仄めかし-John Yauの詩におけるエスニック・アイデンティティの撹乱"AALA Journal. 9(印刷中). (2004)
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[Publications] 長畑 昭利(共著): "アメリカ帝国と多文化社会のあいだ-国際比較文化フォーラム21世紀"開文社. 410 (2003)