2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14510523
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
吉田 純子 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (30253024)
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Keywords | 男性性の神話 / 思春期文学 / ヴェトナム戦争物語 |
Research Abstract |
本研究は、1960年代から80年代にかけてのアメリカ社会の変動期に誕生した思春期文学(Adolescent Literature/Young Adult Literature)を取りあげ、そこに描かれた男性性の変化を、同時期のアメリカの社会・文化的文脈において研究するアメリカ文化論である。 1.1982年にヴェトナム戦争記念碑(通称 The Wall)がワシントンに建設されたのを機に、アメリカ国内でヴェトナム戦争体験による「傷」の癒しを求めるムードが高まった。Katherine PatersonのPark's Quest (1988)は、ヴェトナム戦争体験による帝国アメリカの男性性の威信に負った「傷」の癒しをめぐり展開するいわゆる「父・息子」物語である。本研究では、2003年1月1日出版の共著Bridges for the Young : The Fiction of Katherine Patersonにおいて、パターソンのこの作品の中に、少年の視点からのアメリカの「男らしさの神話」の見直しを、社会・文化的文脈において読みとった。 2.ヴェトナム戦争後の1970年代に批判の対象となった「男らしさの神話」の源流を辿り、今なおアメリカ文化において一定の勢力をもつ、肉体的強靭さをもとにした男性像を表した作品、Edgar Rice BurroughsのTarzan of the Apes (1912)を、論文「Tarzan of the Apesにみる男性性の再活性化-<野性>を母とする」において検証した。なお、本論文発表に先立ち、国際学会「第10回日韓美学研究会・第2回東方美学研究会」にて、英文の口頭発表を行い、発表論文がこれら学会の報告書に掲載された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 吉田 純子: "Tarzan of the Apesにみる男性性の再活性化-<野性>を母とするサバイバル戦略"神戸女学院大学紀要 論集. 49-2. 29-45 (2002)
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[Publications] YOSHIDA, Junko: "Revitalizing Manhood in Tarzan of the Apes : A Survival Strategy of Having Mother "Wilderness""第10回日韓美学研究会・第2回東方美学会報告書. (刊行予定). (2003)
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[Publications] YOSHIDA, Junko: ""A Reconciliation with Asia, Female, and Other," Bridges for the Young : The Fiction of Katherine Paterson"The Scarecrow Press. 330(15) (2003)