2003 Fiscal Year Annual Research Report
エリザベス・ボウエン及びビッグハウス文化と英国作家たちとの相互的影響の研究
Project/Area Number |
14510535
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
山根木 加名子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (90295767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劔持 淑 岡山大学, 文学部, 助教授 (20178164)
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Keywords | エリザベス・ボウエン / ビッグハウス / カントリーハウス / ジェイン・オースティン / ヴァージニア・ウルフ / E.M.フォースター / ヘンリー・ジェイムズ / マライア・エッジワース |
Research Abstract |
本研究の目的はエリザベス・ボウエンの特徴であるビッグハウス文学・文化が、ヴァージニア・ウルフ、ヘンリー・ジェイムズ、E.M.フォースター、ジェイン・オーステイン、マライア・エッジワースの文学とどのように影響し合っているかを解明して、ボウエン批評及びウルフ、フォースター研究に新しい視座を与えることである。今年度は主にカントリー・ハウスの観点から研究を進め、これに新たなテーマによる考察を加味していく予定であったが、カントリー・ハウスに関わる研究を深めることが主体となった。以下、その詳細である。 研究代表者・分担者各々が、担当する作家・作品について個々の研究を深化させ、その成果を学会発表や学術論文として公表した。また両者の打ち合わせや、国内の研究機閑において、資料の調査・収集を行った。まず研究代表者は論文で、オーステインの「マンスフィールド・パーク」を対象に、家父長的ジェントリー文化の象徴であるカントリー・ハウスが女性の手により変革していくさまを論じた。またボウエンの短編小説を中心に、作者が描く精神的やまいとはいかなるものか、ビッグハウスとどう関わるかを、精神分析学とビッグハウス文化の観点から論じた。さらに日本英文学会中国四国支部大会では、「Castle RackrentとEmmaにみるカントリー・ハウス文化の実相」と題して、共同体のシンボルであるカントリー・ハウスを通して、両作品がどのような共同体の特質、価値体系を提示するかについて発表した。研究分担者は、ジェイムズのカントリー・ハウス観について、『ある婦人の肖像』を用いて、オランダ屋敷の運命とガーデンコート館の運命に、主人公イザベルの人生を関連づけて考察した論文を発表した。フォースターのカントリー・ハウス観については、著書の中で、『いと長き旅路』を用いて土地の持つ力と因習との関連について言及し、さらに『ハワーズ・エンド』を用いてイギリスの伝統的な田園に共感を示し、伝統的な叡智を受け継ぐ者がカントリー・ハウスを相続する者として選ばれていく過程を論じた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山根木 加名子: "『マンスフィールド・パーク』のヒロインにみる自己認識とフェミニズム"ペルシカ. 第30号. 135-146 (2003)
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[Publications] 山根木 加名子: "ビッグ・ハウス文学にみる精神的やまい:Eボウキン短編小説の精神分析学的考察"ペルシカ. 第31号(掲載予定). (2004)
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[Publications] 劔持 淑: "ヘンリー・ジェイムズの『ある婦人の肖像』におけるガーデンコート館とイザベル・アーチャーの肖像"岡山大学文学部紀要. 第39号. 97-107 (2003)
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[Publications] Yoshi Kenmotsu: "Moral Dilemmas of the Middle Classes in E.M.Forster's Novels"Eichosha(英潮社). 227 (2003)