2003 Fiscal Year Annual Research Report
口語英語の談話構造分析-コミュニケーション教育の観点から
Project/Area Number |
14510556
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
八木 克正 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90099630)
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Keywords | 現代英語の実証的研究 / 英和辞典 / 談話の構造 |
Research Abstract |
本研究の申請で述べた基本的な目的は以下の4点にある。(1)語彙・統語構造レベルの実証研究を通して英和辞典の改良に利用する、(2)構築済みのデータベースをさらに大規模なものに仕上げる、(3)英語の談話構造における話し言葉と書き言葉の相違を明らかする、(4)それを実際の英語コミュニケーション教育の中で活かす方策をさぐる。 これらの目標のうち、(1)と(2)については、当初の目的以上の成果をあげることができた。当研究者が編集主幹を務めた学習英和辞典『ユースプログレッシブ英和辞典』(小学館)が、2004年1月に出版された。本年度の大半は、この辞書の最後の仕上げに費やした。さまざまな今までの研究成果を盛り込み、新たな知見を豊かに盛り込むことができたと考えている。今日までの英和辞典の諸問題(記述の誤り、現代英語の実態との乖離など)の多くを克服したつもりである。 同時に、今年度1年間を通じて、上記の辞書の記述の元になる研究の連載を2件続けてきた。『小学館ランゲージワールド』(http://www.l-world.shogakukan.co.jo)で隔週(月2回)『語法の鉄人』の連載と、『英語教育』誌(大修館書店)の「クエスチョンボックス」欄の回答者として、さまざまな英語に関する質問に対する回答を行ってきた。扱った問題は多岐に亘るので、使った問題の詳細は、当研究者のホームページ(http://www1.kcn.ne.jo/~kyagi/yagihome/yagihome.index.bak)に譲ることにする。 更に、"*Which is taller, Jane or Mary?"をめぐって」の題で、第8回関西英語語法文法研究会(55.2003年12月13日.関西学院大学)で、今の英語教育の中で行われている教育内容の大きな問題のひとつを取り上げて詳細に論じた。 (3)の問題は、まだ十分な成果をあげるまでに至っていないが、日本英語コミュニケーション学会第10回大会(2003年10月13日.関西大学)に於いて、「Spoken Communication、Written Communicationの違いの視点から-口語英語から書記英語へ(from spoken to written English)-」(シンポジウム「Written Communicationを総合的に考える-発想・表現・評価-」)の題で、研究中の内容を報告した。また、「構文研究の理論と実践(5)-文末疑問詞疑問文の統語的特徴と語用論的成立条件の実証的研究」の題で、論文を発表した。 (4)は、次年度でさらに問題を具体化して研究を続ける。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 八木克正: "リレー連載:構文研究の理論と実践(5)-文末疑問詞疑問文の統語的特徴と語用論的成立条件の実証的研究"英語青年(2003年8月号). 149・5. 293-295 (2003)
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[Publications] 八木克正: "意味的統語論から見たwantの補文構造"英語研究の諸相(加藤富夫・水野政勝・八木克正編)(共同文化社). 1-30 (2004)
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[Publications] 八木克正(編集主幹): "ユースプログレッシブ英和辞典"小学館. 2099 (2004)