2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルマン諸語の造語法の普遍性と特殊性に関する通時的・比較言語学的研究
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14510578
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤原 保明 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (30040067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 享 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (00292491)
石塚 茂清 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (60015948)
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Keywords | ゲルマン語 / 造語法 / 通時的研究 / 比較言語学 / 韻律 / 接頭辞 / 接語化 / 強勢 |
Research Abstract |
今年度は、研究代表者及び分担者2名が個々の役割分担に応じて研究を推進し、6月から月例の研究会を開いてその遂行状況及び成果を明らかにし、まとまった研究については学会等で口頭発表をし、さらに、学会誌などに投稿した。まず、代表者藤原保明は、平成15年11月16日静岡県立大学で開催された日本英語学会で「接頭辞の強勢の通時的変化」と題して招聘研究発表を行い、英語の否定の接頭辞un-付加語と強勢の関係を史的発達の観点から明らかにした。また、平成16年2月27日〜3月1日の間、京都府立大学において、米倉綽教授と中英語の語形成について研究を行い、この成果を平成17年春に開催予定の日本英文学会でのシンポジウムで発表すべく準備を進めている。この1年間に作成した論文は「英語の通時的研究の課題」、「接頭辞の強勢の通時的変化」、「集合数詞manyの史的発達」の3点である。最初の論文は造語法に直結したものではないが、英語の通時的研究の対象として最適なテキストについて論じており、科研の研究課題の遂行にとって今後有益な示唆を与えてくれるものとなっている。2番目の論文は古英語から現代英語にいたる否定の接頭辞un-の強勢の変化を分析したものであり、今年度の研究成果としては最も重要なものであり、目下英文版を作成中である。3番目の論文は、集合数詞manyの史的発達について論じたものであり、課題に直結してはいないが、これと並行して行った配分用法のmanyの分析には接語化も含まれていて、研究課題に関連した興味深い情報が得られた。 分担者石塚茂清は昨年の渡欧による研究成果の一部をドイツで論文として発表した。同じく分担者の黒田享はゲルマン語史における動詞接頭辞の機能変化を中心に研究を進め、国内の研究会で口頭発表を行い、論文の執筆も進めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤原 保明: "通時的英語研究の問題-韻文か散文か"言語文化論集. 第65号(印刷中). (2004)
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[Publications] 藤原 保明: "接頭辞の強勢の通時的変化"JELS(日本英語学会大会予稿集). 第21号(印刷中). (2004)
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[Publications] 藤原 保明: "集合数詞manyの史的発達"近代英語研究. 第20号(印刷中). (2004)
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[Publications] 石塚 茂清: "Die Eingangsstrophe beim Epos"Indicium. (印刷中). (2004)
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[Publications] 黒田 享: "スカンジナビアのアーサー王(II)"Rhodus. 第20号(印刷中). (2004)
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[Publications] 黒田 享: "Timo Reko : Uber das Passiv in einigen spatmittelalterlichen Stadtchroniken"Beitrage zur Geschichte der deutschen Sprache und Literatur. 第125号. 151-155 (2003)