2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510581
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中 直一 大阪大学, 言語文化部, 教授 (50143326)
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Keywords | ケンペル / 日本誌 / ドーム / 新編集版 / 比較対照 / 編集 / ショイヒツァー |
Research Abstract |
ケンペル『日本誌』は、筆者であるケンペルの生前には刊行されることなく、ケンペルの死後、原稿がイギリス人収集家スローンに売却され、この原稿を英訳したものがまず最初に出版された。英訳をなしたのはショイヒツァーである。 その後、イギリスに売却された原稿とは別種の原稿が、ケンペルの遺産相続人の所持品の中から発見され、この原稿を整理してドイツ人ドームが『日本誌』と題して刊行した。 ドームが編集した、この18世紀後半の版は、長らくケンペル日本論の底本として使用されてきたのだが、ドームの編集には多々問題点が存在することが近年指摘され、大英図書館に現存する原稿に基づく新版の出版が待望されていた。 本研究は2001年秋より刊行されはじめた『ケンペル全集』に収められた新編集版『今日の日本』を活用し、従来のケンペル像を一新することを研究目的としている。具体的には、次の4点について調査することを研究目的とした。 (1)旧版と原典批判版を比較対照したうえでの、両版の異同のデータベース化 (2)上記の異同のうち、文化史的に意味のある点のリストアップ (3)従来の『日本誌』邦訳の批判的検討 (4)原典批判版に基づく邦訳の可能性の検討。 これらの研究目的遂行のため、本研究代表者は研究経費を使用して新版『ケンペル全集』の既刊行分を購入し、初年度及び第2年度において新版と旧版の対比作業を行った。その結果、ドームの編集には文体改編が中心であり、所々に編者であるドームの価値観が現れているが、必ずしもケンペルの真意をねじ曲げているという程度までは行っていないということが解明された。
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Research Products
(2 results)