2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本文学のドイツ語訳に見る異文化間コミュニケーション行為の事例研究
Project/Area Number |
14510584
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 文子 (藤涛 文子) 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (40199352)
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Keywords | 翻訳 / 異文化 / 日本文学のドイツ語訳 |
Research Abstract |
翻訳行為は異文化の差異を乗り越える異文化間コミュニケーション行為である、と捉える立場から、テクストジャンル・意図・メディア・受容者といった翻訳に決定的なコミュニケーション要因に注目しながら、翻訳・現象を様々な角度から分析検討してきた。本年度は、固有名詞というテーマで翻訳行為に関わる要因をまとめた。これまでの翻訳理論研究の成果を用いて、分析・評価するための方法をさらに明確化し、現代の日本から世界に発信していく際に必要な異文化知識を得るために、具体的な翻訳例として日本文学とそのドイツ語訳を比較し、訳文はどういう特徴・効果を得たか、といった異文化コミュニケーションの事例を、現在比較分析しているところである。 さらに日本文学のドイツ語訳がどの程度ドイツで実際に読まれているかの調査準備のために、ベルリンの国立図書館および市立図書館を訪れた。各図書館に、日本文学のドイツ語翻訳がどの程度所蔵されているかの検索方法と、所蔵図書の利用件数が調査できるかの可能性を調べた。実際には、日本文学のドイツ語訳が「日本文学」というキーワードで分類されているわけではなく、簡単に検索できないことが判明した。日本文学のドイツ語訳の文献目録から、原著者名で一件ごとに検索して所蔵されているか否かを調べるしか方法がないということが分かっため、15年度の調査方法の方針がたった。利用件数についても、簡単には調べられないものの、個々の図書について個別に問い合わせることにより、ベルリンの図書館側からできる限り協力するとの申し出を得ることができ、支援体制が整った。翻訳理論についての資料収集も行った。 また、ベルリン自由大学の東アジア研究所で日独語間の翻訳についての意見交換を行った。
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Research Products
(1 results)